窓口が稼働している時間の割合(到着率÷サービス率)
利用率 ρ(ロー)とは、窓口(サーバ)が仕事で埋まっている時間の割合のことです。0〜1(0%〜100%)の値を取り、ρ=0.7 なら「全時間の70%は処理中、30%は手すき」という意味になります。
身近な例で言うと、コンビニのレジ係がどれだけ忙しいかを表す数字です。客がほとんど来なければレジは暇(ρ小)、客がひっきりなしに来ればレジは常に対応中(ρ大)になります。上のツールで ρ スライダーを動かすと、窓口の稼働バーと行列の長さが連動して変わります。
利用率はシステムの混み具合を一目で表す最重要指標です。CPUやネットワーク回線、サーバの「使用率」もこの考え方そのもので、ρ が高いほど待ち時間が増えて応答が遅くなります。
利用率は「来る速さ」を「さばく速さ」で割った値として計算します。
ρ = λ / μ
・λ(到着率):単位時間あたりに来る客の数(来る速さ)
・μ(サービス率):単位時間あたりに処理できる客の数(さばく速さ)
・両者の比が、窓口がどれだけ忙しいかを表す
計算例:1分間に3人来て(λ=3)、窓口が1分間に5人さばける(μ=5)とき、
ρ = λ/μ = 3/5 = 0.6
ρ=0.6 なので、窓口は6割の時間が稼働、4割が手すき。来る速さがさばく速さの6割に収まっているので、行列もそこまで長くなりません。直感的にも「処理能力に対してどれくらいの仕事が来ているか」を表す自然な比率です。
系内の平均客数 L は L = ρ/(1−ρ) で求まります。この式は ρ が1に近づくと、分母の (1−ρ) が限りなく0に近づくため、L が爆発的に大きくなり、ρ=1でついに無限大になります。
| 利用率 ρ | 系内客数 L | ひとこと |
|---|---|---|
| 0.5 | 1 人 | 半分稼働。行列はまだ短い |
| 0.8 | 4 人 | 混み始める。Lが4人に |
| 0.9 | 9 人 | 一気に伸びてLは9人 |
| 0.95 | 19 人 | ほぼ限界。Lは19人 |
直感的に言うと、ρ=1は来る速さとさばく速さがピッタリ同じ状態です。一見うまく回りそうですが、到着がランダム(バラつく)なので、たまたま立て続けに来た客の遅れを取り戻す余裕が一切なく、混雑がどんどん蓄積していきます。
身近な例で言うと、高速道路で交通量が処理能力ぎりぎりに達すると、ちょっとしたブレーキで大渋滞になるのと同じです。だから実システムでは、ρを0.7〜0.8程度に抑えて余裕を持たせる設計が鉄則です。これは「ρが1に近づくと待ち時間・行列長が急増する」という性質によるものです。