複数の装置を並列に接続して冗長化したシステム全体の稼働率。
並列システムとは、同じ役割の装置を横に並べてつないだ構成のことです。これは冗長化(=予備をもたせて二重・三重にすること)の代表的な方法です。
並列の最大の特徴は、どれか1つでも稼働していれば全体が動き続ける点です。すべてが同時に故障したときだけ全体が止まります。直列とは正反対の性質です。
身近な例で考えると、部屋に電球を2個つけておくのに似ています。片方が切れても、もう片方が点いていれば部屋は明るいままです。上のツールで▶ボタンを押すと、各装置の故障確率を掛けてから1から引き、全体稼働率が決まる流れを確認できます。
並列システムの全体稼働率は、次の式で求めます。直列の「掛け算だけ」とは違い、故障する側から考えるのがポイントです。
全体稼働率 = 1 − (1−A)(1−B)
式を分解すると、それぞれの部分にちゃんと意味があります。
・(1−A):装置Aが故障する確率
・(1−B):装置Bが故障する確率
・(1−A)(1−B):AもBも同時に故障する確率(=全体が止まる確率)
・1 − (1−A)(1−B):止まる以外、つまり稼働している確率
つまり「全部同時に故障する確率」をまず計算し、それを全体(1=100%)から引いた残りが稼働率です。A=B=0.9なら 1 − 0.1 × 0.1 = 1 − 0.01 = 0.99 となります。上のツールで、赤い故障確率を掛けてから1から引く2段階の流れを見てください。
同じ装置でも、直列につなぐか並列につなぐかで全体稼働率は大きく変わります。直列は各装置より低く、並列は各装置より高くなります。
| 項目 | 直列 | 並列 |
|---|---|---|
| 止まる条件 | 1台でも故障 | 全台が同時に故障 |
| 計算式 | A × B | 1−(1−A)(1−B) |
| 0.9が2台 | 0.81(下がる) | 0.99(上がる) |
並列にすると全体稼働率が上がるのは、予備があることで「全部同時に壊れる」という低い確率まで持ちこたえられるからです。これが冗長化による信頼性向上です。重要なサーバを2台用意したり、ディスクを二重化したりするのは、まさにこの効果をねらっています。