直列と並列を組み合わせたシステム全体の稼働率。
複合システムとは、直列と並列が1つの構成の中に混ざっているシステムのことです。たとえば「予備をもたせた並列部分」と「1台しかない直列部分」が組み合わさっている、といった形です。
直列だけ・並列だけなら式は1つで済みますが、混在していると一度に計算できません。そこで内側のかたまりを先にまとめて1つの装置とみなし、外側を計算するという考え方を使います。
身近な例で考えると、料理のレシピで先に下ごしらえを済ませてから本調理に進むのに似ています。下ごしらえ(並列部分)をひとまとめにしておけば、あとの計算が単純になります。上のツールで▶ボタンを押すと、青い並列部分を先にまとめ、それを緑の直列部分に掛けていく流れを確認できます。
複合システムは、「部分から全体へ」という順番で段階的に解きます。一気に1つの式にしようとせず、内側を1つずつ片付けていくのがコツです。
手順は次のとおりです。
・① 内側の並列(または直列)部分を見つける:かたまりになっている箇所を探す
・② その部分を1つの稼働率にまとめる:並列なら 1−(1−A)(1−B)、直列なら積で計算
・③ まとめた値を1台の装置とみなす:構成図が単純になる
・④ 外側を計算する:残りの装置と組み合わせて全体を求める
ポイントは、まとめた部分を「稼働率〇〇の1台の装置」として扱える点です。こうすると複雑な構成も、最後は単純な直列か並列の式に落とし込めます。上のツールの「段階的な計算」で、①並列部分のまとめ → ②直列への組み込み、の2段階を見てください。
具体的な構成で計算してみましょう。稼働率0.9の装置を2台並列にし、その先に稼働率0.9の装置を直列につないだシステムを考えます。
① 並列部分(P1, P2)をまとめる
並列 = 1 − (1 − 0.9)(1 − 0.9)
= 1 − 0.1 × 0.1
= 1 − 0.01 = 0.99
② 直列部分(S)に組み込む
全体 = 並列 × S
= 0.99 × 0.9
= 0.891
まず並列部分が0.99(冗長化で高い)になり、それに直列の0.9を掛けると0.891に下がります。並列で上げて、直列で下げるという2つの性質が1つの計算の中で組み合わさっているのがわかります。シナリオを切り替えると、稼働率が違う場合の計算例も試せます。