複数の装置を直列に接続したシステム全体の稼働率。
直列システムとは、複数の装置を一本道のように順番につないだ構成のことです。データや処理は装置を順に通り抜けるため、どれか1つでも故障すると全体が止まってしまうのが大きな特徴です。
ここでいう稼働率(=装置が正常に動いている確率)は0〜1の値で表します。0.9なら「90%の時間は動いている」という意味です。直列システム全体の稼働率は、各装置の稼働率をすべて掛け合わせて求めます。
身近な例で考えると、クリスマスツリーの古い豆電球に似ています。1個でも切れると、その先の電球がすべて点かなくなるタイプです。上のツールで▶ボタンを押すと、装置を1つずつ掛け合わせて全体稼働率が決まっていく流れを確認できます。
直列システムが稼働するには、全装置が同時に稼働している必要があります。1つでも止まれば全体が止まるからです。「複数のことが同時に起こる確率」は、それぞれの確率を掛け算して求めます。だから稼働率も積で計算します。
全体稼働率 = A × B × C
たとえばコインを2枚投げて両方とも表が出る確率を考えると、わかりやすいです。
・1枚が表:確率 0.5
・もう1枚も表:確率 0.5
・両方とも表:0.5 × 0.5 = 0.25(掛け算)
これと同じで「AもBもCも同時に稼働している確率」は 0.9 × 0.9 × 0.9 = 0.729 となります。上のツールの緑のボックスが、掛け合わさって途中の積に変わっていく様子を見てください。
稼働率は0〜1の値なので、掛け合わせるほど値は必ず小さくなります。つまり装置を直列に増やすほど、全体の信頼性(=止まらずに動き続ける度合い)は下がっていきます。
1台 : 0.9
2台 : 0.9 × 0.9 = 0.81
3台 : 0.9 × 0.9 × 0.9 = 0.729
また、全体稼働率は一番低い装置よりさらに低くなる点も覚えておきましょう。鎖の強さが一番弱い輪で決まるように、直列では弱い装置が全体の足を引っ張ります。信頼性を上げたいときは、この後で学ぶ並列接続(冗長化)が役立ちます。