FE EXAM

RASIS(システム評価の5要素)

システムの信頼性を評価する5つの観点(信頼性・可用性・保守性・完全性・機密性)の総称。

DIAGRAM
R / A / S / I / S の頭文字
RASISシステムの信頼性を多面的に評価する5つの観点RReliability信頼性= 故障しにくさAAvailability可用性= 使いたいときに使えSServiceability保守性= 直しやすさIIntegrity完全性= データが正確で壊れないSSecurity機密性= 許可された人だけが使える
解説

📌
RASISとは

5つの観点の頭文字をつなげた言葉RASISR + A + S + I + S = RASIS

RASIS(レイシス)とは、システムがどれだけ信頼できるかを多面的に評価するための5つの観点の頭文字を並べた言葉です。1つの指標だけでは「良いシステム」かどうかを判断できないため、複数の観点をまとめて見るための枠組みとして使われます。

身近な例で考えると、車を選ぶときの評価項目に似ています。「壊れにくいか」「いつでも乗れるか」「修理しやすいか」「メーターは正しい値を示すか」「鍵がなければ動かせないか」──これらを総合して良し悪しを判断しますよね。RASISはこの考え方をコンピュータシステムに当てはめたものです。

上の図解では、RASISという1つの総称から5つの観点が枝分かれする様子を示しています。それぞれの観点を1つずつ理解していくと、システム全体の品質をバランスよく見られるようになります。

📌
5要素の意味

RASISを構成する5つの観点は、それぞれ次のような意味を持ちます。英語の頭文字と日本語の名前をセットで覚えると整理しやすくなります。
Reliability(信頼性)=故障しにくさ。途中で止まらず動き続けられるか
Availability(可用性)=使いたいときに使えること。利用できる時間の割合
Serviceability(保守性)=直しやすさ。故障したときにすぐ復旧できるか
Integrity(完全性)=データが正確で壊れないこと。改ざんや破損が起きないか
Security(機密性)=許可された人だけが使えること。不正な利用を防げるか

ここで注意したいのは、2つの「S」は別物という点です。最初のSはServiceability(保守性)、もう1つのSはSecurity(機密性)を指します。名前が似ているので、それぞれ「直しやすさ」と「許可された人だけが使える」という意味の違いで覚えると混同しにくくなります。

📌
評価指標との関係

観点を数字で測るための指標信頼性MTBF保守性MTTR可用性稼働率

RASISの観点は「良い・悪い」という感覚だけではなく、数値で測れる指標と結びついています。数値化することで、システム同士を比べたり改善の効果を確かめたりできます。
信頼性MTBF(平均故障間隔=故障してから次に故障するまでの平均時間)で測る
保守性MTTR(平均修復時間=故障してから直るまでの平均時間)で測る
可用性稼働率(使える時間の割合)で測る

とくに MTBF が長く(壊れにくく)、MTTR が短い(すぐ直る)ほど、結果として稼働率が高くなります。このように信頼性・保守性・可用性は互いに関係し合っているため、RASIS全体をバランスよく高めることが大切です。

なぜ5つの観点が必要か

信頼性だけ高いシステム機密性が低い → 不正利用される1つだけでは不十分5つがそろって安全バランスよく高める

1つの指標だけでシステムの良し悪しを判断できないのはなぜか。それは、信頼性・可用性・保守性・完全性・機密性はどれかが欠けても問題が起きるからです。たとえば、故障しにくい(Reliability が高い)システムでも、不正なアクセスを許してしまえばデータが盗まれます。

各観点が欠けたときに起きる問題を見ると分かりやすいです。
Reliability(信頼性)が低い:しょっちゅう壊れてサービスが止まる
Availability(可用性)が低い:使いたいときにシステムが動いていない
Serviceability(保守性)が低い:壊れても直すのに何日もかかる
Integrity(完全性)が低い:データが気づかないうちに書き換えられる
Security(機密性)が低い:許可されていない人が情報を見たり使ったりできる

身近な例で考えると、丈夫なドアがついていても鍵がかかっていなければ空き巣に入られるのと同じです。どの観点も「とりあえず」でなく、バランスよく高めることが「信頼できるシステム」を作る考え方です。RASISはこのバランスを意識するための言葉です。

📐
稼働率の計算

時間の流れとMTBF / MTTR稼働中(MTBF)修復(MTTR)稼働中故障発生修復開始復帰稼働率 = MTBF ÷ (MTBF + MTTR)

稼働率(=システムが使える時間の割合)は、MTBF(平均故障間隔)MTTR(平均修復時間)の2つの数値から計算できます。

計算式は次のとおりです。
稼働率 = MTBF ÷ (MTBF + MTTR)
MTBF(Mean Time Between Failures=平均故障間隔):故障から次に故障するまでの平均時間
MTTR(Mean Time To Repair=平均修復時間):故障してから直るまでの平均時間

具体例:MTBF が 90時間、MTTR が 10時間 のとき、稼働率は 90 ÷ (90 + 10) = 0.9 = 90% になります。MTBF が長く(壊れにくく)MTTRが短い(すぐ直る)ほど稼働率が上がる、という関係が式から直感的に分かります。

信頼性と保守性がバランスよく高まれば、結果として可用性(稼働率)も上がります。これが「RASISは互いに関係し合っている」といわれる理由です。

✏️
練習問題

Q1. RASISのSのうち、Serviceability(保守性)が表すものとして最も適切なものはどれですか。

Q2. RASISの各要素と、それを測る指標の組み合わせとして適切でないものはどれですか。

Q3. RASISという言葉の説明として最も適切なものはどれですか。

関連コンテンツ