故障から次の故障までの平均的な稼働時間を表す信頼性の指標。
MTBF(平均故障間隔)とは、英語の Mean Time Between Failures(=故障と故障の間の平均時間)の略で、1回故障してから次に故障するまで、平均してどれだけ稼働し続けられるかを表す指標です。
身近な例で考えると、電球が切れるまでの平均寿命に似ています。「この電球は平均1000時間もちます」というのは、点けてから切れるまで平均1000時間稼働できる、という意味です。MTBF もこれと同じく「平均してどれだけ動き続けられるか」を表しています。
上のツールで▶ボタンを押すと、タイムライン上の稼働期間(緑)と故障点(×)から総稼働時間を集計し、故障回数で割って MTBF を求める流れを確認できます。
MTBF は、稼働できていた時間の合計を、故障した回数で割るだけで求められます。
MTBF = 総稼働時間 ÷ 故障回数
計算の手順は次のとおりです。
・① 総稼働時間を合計:正常に動いていた時間をすべて足す(故障で止まっていた時間は含めない)
・② 故障回数を数える:期間中に何回故障したかを数える
・③ 割り算:①を②で割った値が MTBF
具体例で計算してみましょう。
総稼働時間 = 100 + 100 + 100 = 300h
故障回数 = 3回
MTBF = 300 ÷ 3 = 100h
上のツールでシナリオを切り替えると、稼働パターンに応じて総稼働時間と故障回数が変わり、MTBF が再計算される様子を確認できます。
MTBF は信頼性(壊れにくさ)の物差しです。MTBF が長いほど故障せずに長く動き続けられるので、MTBF が長いほど信頼性が高いと言えます。
逆に MTBF が短いシステムは、こまめに故障してしまうため信頼性が低い、ということになります。たとえば MTBF が 1000h のシステムと 100h のシステムを比べると、前者のほうが10倍長く故障せずに動けるので、はるかに信頼性が高いと判断できます。
MTBF は次のページで学ぶ MTTR(平均修復時間)と組み合わせて、システムが全時間のうちどれだけ動いているかを示す稼働率の計算にも使われます。上のツールで稼働パターンの異なるシナリオを比べ、稼働期間が長い(=MTBF が長い)ほど信頼性が高くなることを確認してみてください。
MTBF(平均故障間隔)と対になる指標が MTTR(平均修復時間)です。MTTR は英語の Mean Time To Repair(=修復にかかる平均時間)の略で、故障してから正常に戻るまでに平均どれくらいかかるかを表します。
MTTR の計算式は次のとおりです。
MTTR = 総修復時間 ÷ 故障回数
例:修復に計30h、故障3回 → MTTR = 30 ÷ 3 = 10h
MTBF と MTTR の違いを整理すると次のようになります。
・MTBF(Mean Time Between Failures):故障と故障の間の平均時間 = 稼働の長さ
・MTTR(Mean Time To Repair):故障を修復するまでの平均時間 = 直す速さ
身近な例で考えると、MTBF は「車が故障なく走り続けられる平均距離」、MTTR は「故障したとき修理にかかる平均日数」に相当します。この2つを組み合わせると、次のページで学ぶ稼働率(どれだけ動いている時間の割合が大きいか)が計算できます。
MTBFを長くする=故障しにくくすることを「信頼性の向上」と呼びます。具体的には次の方法が有効です。
・高品質な部品を使う:安価で壊れやすい部品より、耐久性の高い部品に替える
・定期メンテナンスをする:劣化する前に部品を交換したりソフトウェアを更新したりする
・環境を整える:温度・湿度・電源の安定化など、故障の原因となる環境要因を取り除く
なぜMTBFだけでは不十分なのか。MTBF が長くても、故障したときに修復に何週間もかかる(MTTR が長い)なら、使える時間は増えません。そのため実際のシステム設計では、MTBFを長くする(壊れにくくする)とMTTRを短くする(直りやすくする)の両方を組み合わせることで、稼働率を高めていきます。