FE EXAM

フォールトアボイダンス(そもそも故障させない)

構成要素の品質を高め、そもそも故障が起こらないようにする設計思想。

DIAGRAM
フォールトアボイダンス
フォールトトレランス
フォールトアボイダンスそもそも故障させない高品質・高信頼の部品+ 十分なテスト・品質管理故障率 ↓(発生を未然に防ぐ)部品1つ1つを丈夫にして故障が起きないことを目指す対の関係フォールトトレランス故障する前提で耐える構成要素を多重化(冗長化)= 予備をあらかじめ用意故障しても処理を継続故障は起きるものとして影響を抑えることを目指す「故障させない」フォールトアボイダンスと「故障に耐える」フォールトトレランスは対の関係
解説

📌
フォールトアボイダンスとは

高品質な部品+ テスト故障率 ↓発生を未然に防ぐ

フォールトアボイダンスとは、構成要素の品質を高め、そもそも故障が起こらないようにする設計思想のことです。「フォールト=故障」「アボイダンス=回避」で、「故障を回避する」という意味になります。

考え方の前提は「故障そのものを起こさせない」ことです。一つ一つの部品を丈夫で信頼性の高いものにし、十分にテストすることで、故障が発生する確率を下げます。故障した後にどう対応するかではなく、故障する前の段階で防ぐことに力を注ぐのが特徴です。

身近な例で考えると、長持ちする丈夫な車を選び、こまめに点検するのと同じ発想です。故障してから直すのではなく、壊れにくい部品を使い、日頃の整備で不調の芽を摘んでおく──これがフォールトアボイダンスの基本的な考え方です。

📌
故障を防ぐ手法

故障の芽を事前につぶす高信頼部品十分なテスト余裕ある設計定期保守

フォールトアボイダンスは、故障の発生確率を下げるための地道な作り込みで実現します。代表的な手法には次のようなものがあります。

高品質・高信頼の部品採用:壊れにくく実績のある部品を選ぶ
十分なテスト・品質管理:出荷前に不具合を徹底的に洗い出す
余裕を持った設計(ディレーティング):部品を能力の限界まで使わず、余力を残して使う
定期保守:定期点検や部品交換で、劣化による故障を未然に防ぐ

ここで出てきたディレーティングとは、たとえば「100まで耐えられる部品を70までしか使わない」ように、定格(その部品が安全に出せる上限)に対して余裕を持たせて使うことです。常に全力で使い続けると傷みやすいため、余力を残すことで長持ちさせます。これらはどれも「壊れてから直す」のではなく「壊れる前に手を打つ」という発想です。

📌
他の設計思想との違い

最も対比すべき相手がフォールトトレランス(フォールトトレラント)です。フォールトアボイダンスは「故障させない」、フォールトトレランスは「故障する前提で耐える」と、出発点が正反対の対の関係にあります。

観点フォールトアボイダンスフォールトトレランス
基本の考え方故障させない故障する前提で耐える
主な手段高品質な部品・テスト多重化(冗長化)
故障への向き合い方発生を未然に防ぐ起きても影響を抑える

覚え方としては、フォールトアボイダンスは「故障を避ける(起こさせない)」、フォールトトレランスは「故障に耐える(起きても平気にする)」と対で押さえると区別しやすくなります。前者は部品の信頼性を高める方向、後者は予備を持って冗長化する方向、と作り方も逆向きです。

📝
練習問題

Q1.フォールトアボイダンスの説明として最も適切なものはどれか。

Q2.フォールトアボイダンスの手法として最も適切なものはどれか。

Q3.フォールトアボイダンスとフォールトトレランスの関係として適切なものはどれか。

関連コンテンツ