複数のコンピュータに処理を分担させるシステム構成。
分散処理システムとは、1つの仕事を複数のコンピュータに分担させて処理する構成のことです。各コンピュータはネットワークでつながり、互いに連携しながら全体の処理を進めます。
処理が1台に集中していないため、1台が忙しくても別の台が手伝えるのが特徴です。仕事を小分けにして手分けすることで、全体としてより多くの処理をこなせます。
身近な例で考えると、複数のレジがあるスーパーに似ています。1つのレジ(1台のコンピュータ)に客が殺到しても、他のレジが手分けして対応します。1台のレジが故障しても、他のレジで会計を続けられる点も分散処理の発想と同じです。
集中処理は「1台に集める」、分散処理は「複数台に分ける」という正反対の考え方です。両者の違いを表で整理します。
| 観点 | 集中処理 | 分散処理 |
|---|---|---|
| 処理する場所 | 1台のホストに集約 | 複数のコンピュータに分担 |
| 故障の影響 | ホスト故障で全停止 | 1台故障でも全体は止まりにくい |
| 性能の上げ方 | ホスト自体を高性能機に交換 | 台数を増やせば性能を伸ばせる |
| 管理のしやすさ | 1か所で簡単 | 台数が増えるほど複雑 |
どちらが優れているという話ではなく、目的によって使い分けるものです。管理のシンプルさを優先するなら集中処理、止まりにくさや拡張性を優先するなら分散処理が向いています。上の図解で左右に並べた構成を見比べると、その違いがつかみやすくなります。
分散処理の利点は次の通りです。
・可用性の向上:1台が故障しても他の台が処理を引き継ぎ、止まりにくい(可用性=使い続けられる度合い)
・負荷分散:仕事を複数台で分け合うので1台に負担が集中しない
・拡張性:処理が足りなくなったら台数を増やすだけで性能を伸ばせる
一方で次のような課題もあります。
・管理の複雑さ:管理する台数が増え、運用が難しくなる
・データ整合性:複数台に分かれたデータの食い違いを防ぐ仕組みが必要
・ネットワーク障害:台同士の通信が途切れると連携できなくなる
つまり分散処理は「止まりにくさ・拡張性」と引き換えに「管理の手間・連携の難しさ」を抱える構成だといえます。
Q1.分散処理システムの説明として最も適切なものはどれか。
Q2.集中処理と比べたときの分散処理の利点はどれか。
Q3.分散処理システムの課題として適切なものはどれか。