待機系を普段は停止しておき、主系故障時に起動して切り替える方式。
コールドスタンバイとは、待機系(=予備のサーバ)を普段は停止しておき、主系の故障時に起動して切り替える二重化の方式です。待機系の電源を切っているか、別の用途に使っていることもあります。
身近な例で考えると、車庫にしまってあるスペアタイヤに似ています。普段は使わずにしまってあり、パンクして初めて取り出して取り付けます。すぐ走り出せるホットスタンバイの予備とは違い、取り付けの手間(=起動と準備)が必要になるわけです。
上のツールで▶ボタンを押すと、停止していた待機系が主系の故障後に電源投入から起動・データ復元を経て、ようやく処理を引き継ぐ流れを確認できます。
コールドスタンバイは停止状態からのスタートなので、稼働できるようになるまでに、いくつもの準備をひとつずつ進める必要があります。この一連の流れに時間がかかります。
起動から稼働までの流れは、おおむね次のとおりです。
・① 電源投入:止めていた待機系の電源を入れる
・② OS起動:コンピュータを動かす基本ソフト(OS)を立ち上げる
・③ アプリ起動:サービスを提供するアプリケーションを起動する
・④ データ復元:バックアップから最新に近いデータを書き戻す
・⑤ 稼働開始:準備が整い、処理を引き継いでサービスを再開する
ホットスタンバイがこの①〜④をあらかじめ済ませているのに対し、コールドスタンバイは故障してから始めます。そのぶん切替時間は3方式の中でもっとも長くなります。上のツールの起動ステージで、準備がひとつずつ進む様子を確認できます。
コールドスタンバイの最大のメリットは運用コストの安さです。待機系を普段動かさないため、電力や保守の負担を抑えられます。切替が遅い代わりに、安く備えられる方式です。
コストが安くなる理由は、主に次のとおりです。
・電力:待機系を止めているので、その間の電気代がかからない
・稼働の維持:常時起動・常時同期のためのリソースを使い続けなくてよい
・兼用:待機系を普段は別の用途に使い回せる場合もある
そのため、コールドスタンバイは切替に時間がかかってよいシステムに向いています。たとえば、夜間バッチ処理用のサーバや、復旧まで数時間待てる社内システムなどです。「めったに使わない予備に毎月お金をかけるより、いざというときに起動すればよい」という考え方だと捉えると分かりやすいです。