ネットワーク通信を7つの階層に分類した国際標準の理論モデル。各層の役割とデータの流れを可視化
OSI参照モデルは、ネットワーク通信を7つの階層に分類した国際標準の理論モデルです。各層が独立して機能することで、異なるメーカーの機器やソフトウェアが相互に通信できます。郵便システムに例えてみましょう。手紙を書く(アプリケーション層)→封筒に入れる(プレゼンテーション層)→住所を書く(ネットワーク層)→郵便局に持っていく(データリンク層)→トラックで運ぶ(物理層)。各層が自分の仕事に集中し、他の層のことは気にしません。手紙の内容がフランス語でも日本語でも、郵便局の仕事は変わらないのと同じです。
なぜこのモデルが重要なのでしょうか? ネットワーク障害が発生したとき、「どの層で問題が起きているか?」で原因を切り分けることができます。ケーブルが抜けていれば物理層、IPアドレスの設定ミスならネットワーク層、TLS証明書の期限切れならプレゼンテーション層の問題です。Wiresharkなどのパケット解析ツールも各層ベースで情報を表示します。上のツールで「OSI参照モデル 7層」シナリオを再生すると、第7層から第1層まで順番に各層の役割が確認できます。
Webページにアクセスしたとき、データが送信側の各層を上から下へ(カプセル化)通過し、ネットワークを経由して受信側の各層を下から上へ(脱カプセル化)通過する過程を追います。
| 層 | 名前 | PDU | 代表プロトコル |
|---|---|---|---|
| L7 | アプリケーション層 | データ | HTTP, HTTPS, SMTP, IMAP, POP3, FTP, SSH, DNS, DHCP, SNMP, MQTT |
| L6 | プレゼンテーション層 | データ | SSL/TLS, JPEG, PNG, MPEG, ASCII, UTF-8, gzip, Brotli |
| L5 | セッション層 | データ | RPC, NetBIOS, PPTP, L2TP, SIP |
| L4 | トランスポート層 | セグメント / データグラム | TCP, UDP, SCTP, QUIC |
| L3 | ネットワーク層 | パケット | IPv4, IPv6, ICMP, ARP, OSPF, BGP, IPsec |
| L2 | データリンク層 | フレーム | Ethernet (802.3), Wi-Fi (802.11), PPP, VLAN (802.1Q) |
| L1 | 物理層 | ビット | RJ-45, 光ファイバー, Bluetooth, USB, DSL, 100BASE-TX |
TCP/IPモデル(4層)では、OSIの上位3層(第7-5層)がアプリケーション層に、第4層がトランスポート層に、第3層がインターネット層に、下位2層(第2-1層)がネットワークアクセス層に対応します。実務ではTCP/IPモデルの方がよく使われますが、OSI層番号(L2、L3、L7等)は業界共通の用語として定着しています。