音声の入力と出力で機器を操作するユーザインタフェース。
VUI(ボイスユーザインタフェース=声で操作する仕組みのこと)とは、人の話し声で指示を出し、機器が音声で答えるユーザインタフェースのことです。GUIが「見て触る」、CUIが「文字を打つ」のに対し、VUIは「話して聞く」のが特徴です。
身近な例で考えると、店員さんに口頭で注文するのに似ています。「コーヒーをホットで」と言えば、店員は内容を理解して「かしこまりました」と返事をします。VUIでは、この店員の役割を機器が担うわけです。
VUIの最大の利点は、手や目がふさがっていても操作できることです。料理中や運転中など、画面を触れない場面でも声だけで操作できます。上の図解の青い矢印が「話す(入力)」、緑の矢印が「答える(出力)」を表しています。
VUIは、声を理解して声で返すまでに、おおむね次の3つの処理を行っています。
・音声認識:マイクで拾った人の声を、文字(テキスト)に変換する
・意味の解釈:その文字が「何を頼んでいるか」を読み取り、必要な処理(天気の検索など)を行う
・音声合成:処理結果の文字を、人が聞き取れる声に変換して読み上げる
ここで重要なのが自然言語処理(=人間の言葉をコンピュータが扱う技術)です。「明日の天気は?」も「あした晴れる?」も同じ意図だと理解できるのは、この技術のおかげです。近年は大規模言語モデルの進歩で、より自然な会話ができるようになっています。
ポイントは、入口(音声認識)と出口(音声合成)が対になっていることです。声をいったん文字に直して処理し、結果をまた声に戻す──この往復がVUIの基本的な流れです。
VUIの代表例がスマートスピーカーです。机に置いた小さな機器に話しかけるだけで、さまざまなことができます。
・情報の確認:「明日の天気は?」「今何時?」と聞くと答えてくれる
・音楽・ニュース:「音楽をかけて」「ニュースを読んで」で再生する
・家電の操作:照明やエアコンと連携し、声でオン・オフできる
・予定・アラーム:「7時に起こして」でアラームを設定する
スマートスピーカー以外にも、スマホの音声アシスタント、カーナビの音声操作、テレビのリモコンの音声検索などにVUIが使われています。運転中など手が離せない場面で特に役立ちます。
文字が読めない小さな子どもや、画面の操作が苦手な高齢者でも、話しかけるだけで使えるのはVUIの大きな魅力です。誰もが使いやすい仕組みとして、活用の場が広がっています。