事象の起こりやすさを 0〜1 の数値で表したもの。
確率とは、ある事象がどれくらい起こりやすいかを 0 から 1(または 0% 〜 100%)の数値で表したものです。0 は「絶対に起こらない」、1 は「必ず起こる」を意味し、その間の値で起こりやすさを表現します。
すべての結果が同じくらい起こりやすい(等確率)と仮定できる場合、計算式は 事象の場合の数 ÷ 全事象の場合の数 でシンプルに求まります。たとえばサイコロで「偶数が出る確率」は、偶数の目(2,4,6)が 3 通り、全部の目が 6 通りなので、3 ÷ 6 = 1/2 = 50% です。
確率には次のような基本性質があります。
・0 ≤ P(A) ≤ 1(必ず 0 以上 1 以下)
・全事象の確率の総和は 1(必ず何かが起こる)
・P(¬A) = 1 − P(A)(起こらない確率は 1 から引く)
大数の法則とは、試行回数を増やしていくと、観測される頻度(実際に出た割合)が理論確率に近づいていくという性質です。上のシミュレータで「100 回振る」「1000 回振る」「10000 回振る」と段階的に増やすと、各バーが赤い理論ライン上に揃っていく様子が見えます。
少ない試行ではばらつきが大きく、たとえばサイコロを 10 回振っても 1 の目が 0 回や 4 回になることが珍しくありません。しかし 10000 回振れば、1 の目はおおよそ 1/6(約 1667 回)の付近に必ず収まります。「最大誤差」の表示が試行回数とともに小さくなるのが大数の法則の証拠です。
この法則は、保険・品質管理・統計的検定・モンテカルロシミュレーションなど、ビジネスや工学で確率を実用するための土台になっています。短期的にはハズレが続いても、長期的には理論通りに収束するのが確率の本質です。
場合の数とは、ある試行(=コインを投げるなど)で起こりうる結果の全パターン数のことです。確率の計算は「事象の場合の数 ÷ 全体の場合の数」で求まるので、まず場合の数を正確に数えることが大切です。
樹形図(じゅけいず)とは、場合の数を木の枝のように書き出して数える方法です。上の図ではコインを2回投げた全パターンを図にしました。枝をたどると表表・表裏・裏表・裏裏の4通りが漏れなく数えられます。
積の法則(かけ算の法則)を使うと、樹形図を書かなくても場合の数が求まります。コイン1回目 2通り × 2回目 2通り = 2 × 2 = 4通り。一般に複数の独立した選択肢があるとき、それぞれの数をかけると全体の場合の数になります。
・コインを3回: 2 × 2 × 2 = 8通り
・サイコロ1個: 6通り、2個: 6 × 6 = 36通り
余事象(よじしょう)とは、「事象 A が起こらない」という事象のことです。全体の確率は必ず 1 なので、P(A) = 1 − P(Aが起こらない) という関係が成り立ちます。
なぜ余事象を使うと楽か。「少なくとも1回〜」という問題は、正面から計算しようとすると場合の数がたくさんあって大変です。しかし「1回も起こらない」確率だけを計算して 1 から引くと、ずっとシンプルに解けます。
具体例:コインを3回投げて、少なくとも1回表が出る確率
正面から数える場合:表が1回・2回・3回の全パターンを足す(面倒)
余事象を使う場合:「3回とも裏が出る確率」を計算して1から引く
1 − (1/2)³ = 1 − 1/8 = 7/8 ≈ 87.5%(とても簡単!)
いつ余事象を使うかの判断基準は「直接計算するより余事象の方がパターンが少ないとき」です。「少なくとも1つ〜」「1回以上〜」という文章が出てきたら余事象を疑うと効果的です。
確率の計算は順列・組合せと組み合わせた形で扱われることが多く、いくつかの基本パターンに整理できます。代表的なものを見ていきましょう。
パターン1: 同時に起こる確率(積の法則)
事象 A と B が独立なら P(A ∩ B) = P(A) × P(B)。例「コインを 2 回投げて両方表が出る確率」= 1/2 × 1/2 = 1/4。
パターン2: いずれかが起こる確率(和の法則)
排反なら P(A ∪ B) = P(A) + P(B)、そうでないなら P(A) + P(B) − P(A ∩ B)。例「サイコロで偶数または 3 の倍数が出る確率」= 3/6 + 2/6 − 1/6 = 4/6 = 2/3。
パターン3: 余事象の利用
「少なくとも 1 つ〜」という問題は、「1 つも起こらない確率」を 1 から引くのが定石。例「サイコロを 3 回振って、少なくとも 1 回 6 が出る確率」= 1 − (5/6)³ = 1 − 125/216 ≒ 42.1%。