圧力や力の大きさを電気信号に変換するセンサ
圧力センサとは、圧力や力の大きさを電気信号に変換するセンサです。仕組みの共通点は、力を受けると素子がわずかに変形し、その変形を電気の量(抵抗や静電容量)の変化として読み取るという点です。
身近な例で考えると、キッチンの電子はかりがまさに圧力センサの応用です。皿の上に物を載せると内部の素子がほんの少したわみ、その変形量から重さを計算して数字を表示します。私たちが指で押すスマホのタッチパネルや、空気圧を測る気圧計にも圧力センサが使われています。
圧力センサには「何の電気の変化で力を捉えるか」によっていくつかの方式があります。上の図解では代表的な2方式(ひずみゲージ式・静電容量式)の原理を並べました。「抵抗で測るタイプ」と「静電容量で測るタイプ」の違いに注目しながら読み進めてください。
圧力センサの理解で重要なのは「変形を何の電気変化に変えるか」です。2つの代表方式は原理が異なります。
・ひずみゲージ式:金属の薄い箔(ゲージ)を貼った素子が力で変形すると、金属が引き伸ばされて細く長くなり、抵抗が増える。この抵抗変化から圧力を求める
・静電容量式:向かい合った2枚の電極(平行板コンデンサ)が、圧力で間隔(距離)を変える。距離が縮むと静電容量(電気をためる能力)が増える。この容量変化から圧力を求める
両者の特徴を比べると次のようになります。
| 項目 | ひずみゲージ式 | 静電容量式 |
|---|---|---|
| 捉える変化 | 抵抗 | 静電容量 |
| 仕組み | 金属の伸び縮み | 電極間の距離 |
| 長所 | 頑丈・大きな力に強い | 高感度・微小な力も検出 |
| 代表用途 | はかり・ロードセル | タッチパネル・気圧計 |
整理のコツは「ひずみゲージ=抵抗」「静電容量式=距離(容量)」と原理をセットで押さえることです。どちらも「変形を電気の変化に変える」点は共通で、その変化が抵抗か静電容量かが違いになります。
圧力センサは私たちの暮らしや産業の幅広い場面で使われています。とくに安全や健康に関わる分野で重要な役割を果たします。
・自動車:タイヤの空気圧監視、エンジンの吸気圧、衝突時にエアバッグを開く判断
・医療:血圧計、人工呼吸器の圧力管理、点滴の流量管理
・家庭・モバイル:スマホやタブレットのタッチパネル、体重計・キッチンスケール、気圧計(天気予報・高度計)
・産業:工場の配管やボイラーの圧力監視、油圧・空圧機器の制御
近年はMEMS(メムス)という半導体技術で、圧力センサを米粒ほどの大きさに小型化できるようになりました。これによりスマホや小型のIoT機器にも気圧センサが標準で搭載され、建物の階数の判定や、登山時の高度測定などにも使われています。
方式の選び分けの目安としては、大きな力を正確に量るならひずみゲージ、微小な力やタッチを拾うなら静電容量式と整理しておくと分かりやすいです。