FE EXAM

PNG(可逆圧縮 + 透明度)

Deflateで可逆圧縮し、透明度(アルファチャンネル)に対応する画像形式

DIAGRAM
可逆(PNG)アルファ非可逆(JPEG)

① 元画像をDeflateで可逆圧縮してPNGにする

元画像(生データ)RGB の数値の集まりDeflateLZ77+ハフマン可逆圧縮(Deflate)繰り返しパターンを短い符号に置き換える情報は1ビットも捨てないPNGファイルphoto.pngサイズは小さく画質は完全に同じ展開すると元画像に完全復元できる

② アルファチャンネル(透明度)= RGB + A の4成分

R+G+B+A透明度1ピクセル = 色(RGB)+ 透け具合(A)JPEGはRGBの3成分のみ。PNGはAが加わるので背景を透かせる透明の使い道ロゴ背景が透けてどこにでも重ねられる

③ PNG(可逆)と JPEG(非可逆)の違い

PNG(可逆圧縮)展開すると元と完全一致(劣化なし)透明度に対応・線や文字がくっきりロゴ・アイコン・スクリーンショット向きJPEG(非可逆圧縮)一部の情報を捨てて小さくする(劣化あり)透明度に非対応・写真を強く圧縮できる写真・グラデーション画像向き
解説

📌
PNGとは

元画像画素の数値可逆PNG.png画質を保ったまま小さくする

PNG(Portable Network Graphics、ピング)とは、画質を一切落とさずにファイルを小さくできる画像形式です。GIF(古い画像形式)の特許問題を回避するために生まれ、今ではWeb画像の定番になっています。

PNGの2大特徴は次のとおりです。
可逆圧縮(Deflate):圧縮しても展開すれば元画像に完全に戻る=情報を1ビットも捨てない
アルファチャンネル:ピクセルごとに「透け具合」を持てる=背景を透かせる
フルカラー対応:約1677万色(24ビット)+透明度を扱える

身近な例で言うと、PNGは「真空パックで食材を保存する」イメージです。袋を圧縮して小さくしても、開ければ中身は元のまま。一方、写真向けのJPEGは「ジュースを濃縮する」ようなもので、小さくはなりますが元の味(画質)は完全には戻りません。

🗜️
可逆圧縮の仕組み

同じパターンを「参照」に置き換える青青青青青青青青×7「青を7回」とだけ書けば短くなる戻すときは7回展開すれば元どおり

PNGはDeflate(デフレート)という可逆圧縮(=展開すれば完全に元へ戻せる圧縮)アルゴリズムを使います。これはZIPと同じ仕組みで、内部では2つの技を組み合わせています。


LZ77:直前に出てきた同じデータの並びを「○文字前から△文字分コピー」という参照に置き換える
ハフマン符号:よく出る値ほど短いビット列を割り当てて、全体のビット数を減らす
画像には「同じ色がずっと続く」「似た模様が繰り返す」場所が多いので、この方式がよく効きます。

「可逆=元に戻る」「非可逆=元に戻らない」という対比が大切です。PNG・GIF・ZIPは可逆、JPEG・MPEG・MP3は非可逆に分類されます。可逆は文字やロゴのようにくっきりした絵に向き、非可逆は写真のように細かい差が気になりにくい絵に向きます。

🪟
アルファチャンネル

A=0 で透明 / A=255 で不透明A=50A=150A=255数値が小さいほど背景が透けて見える

アルファチャンネルとは、ピクセルの色情報(RGB)に加えて持つ「透け具合(不透明度)」の情報のことです。PNGは1ピクセルを「R・G・B・A」の4つの値で表します(これをRGBAと呼びます)。

A(アルファ値)は0〜255で表され、
A = 0:完全に透明(背景がそのまま見える)
A = 255:完全に不透明(背景が見えない)
中間の値:半透明(背景がうっすら透ける)
となります。GIFは「透明 or 不透明」の2択しか持てませんが、PNGは256段階の細かい半透明を表現できます。

身近な例で言うと、アルファチャンネルは「透明フィルムに印刷したシール」のようなものです。背景がどんな色でも、シール部分だけが乗り、余白は透けてなじみます。そのためロゴやアイコンは、背景色を選ばず重ねられるPNGで作るのが定番です。

💡
なぜイラスト・ロゴにPNGが向くのか

輪郭のくっきり感は可逆圧縮で守るAPNG:輪郭くっきりAAAJPEG:周囲ににじみ文字・線の輪郭はJPEGの量子化でにじんでしまう

PNGがイラスト・ロゴ・文字画像に向く理由は「可逆圧縮で輪郭をそのまま守れるから」です。ロゴや文字は、白い背景と黒い文字が隣り合うようなくっきりした輪郭(エッジ)が命です。

なぜJPEGだと輪郭がにじむのか。JPEGの量子化(=細かい情報を間引く工程)は、隣のピクセルとの色の「急激な変化」を高周波成分と見なして削ってしまいます。くっきりした輪郭はまさにこの急激な変化なので、輪郭周辺に汚れたようなノイズ(モスキートノイズ)が出てしまいます。
PNG:情報を1ビットも捨てない → 輪郭をそのまま保存できる
JPEG:細かい情報を間引く → 輪郭周辺がにじんで劣化する

身近な例で言うと、はんこを押した書類をスキャンした画像で考えてみましょう。PNG保存ならにじみなくくっきり読めますが、JPEG保存だとはんこの周囲が少しぼやけて公文書として使いにくくなります。「正確に伝えなければならない図・文字・記号」にはPNGを選ぶのが基本です。

🗂️
PNGとJPEGの使い分けまとめ

比べる項目PNGJPEG
圧縮方式可逆(Deflate)非可逆(DCT+量子化)
元に戻せるか完全に戻せる戻せない(劣化する)
透明度対応(256段階)非対応
得意な画像ロゴ・文字・線画・スクリーン写真・グラデーション
ファイルサイズ傾向写真は大きくなる写真は非常に小さくなる

「PNG か JPEG か」を選ぶ基準はシンプルです。
PNG を使う場面:ロゴ・アイコン・文字・線画・スクリーンショット・透明背景が必要なとき
JPEG を使う場面:デジカメやスマホで撮った写真・グラデーションが多い画像

なぜ「画像の内容」で使い分けるのか。画像形式の選択は「どこで画質が落ちても気にならないか」で決まります。写真のわずかな色のずれは人間にほとんど分かりません(だからJPEGでよい)。でも文字の輪郭のにじみはすぐ分かります(だからPNGが必要)。データの性質と人間の感覚の両方を理解することが、適切な形式選びの出発点です。

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