半導体の集積度が約18〜24か月で2倍になるという経験則。
ムーアの法則とは、半導体の集積度が約18〜24か月(およそ2年)で2倍になるという経験則です。集積度とは、1つのチップ(=部品を載せた小さな板)にどれだけたくさんのトランジスタ(=信号を制御する小さな部品)を詰め込めるか、という密度のことです。
これは数学的に証明された「定理」ではなく、半導体技術者が過去の傾向から見いだした「経験則(=経験から導いた目安のルール)」です。それでも長年おおむね当たり続けたため、コンピュータ業界の発展を語る指針として有名になりました。
上のツールで▶ボタンを押すと、年代が進むにつれてトランジスタ集積数が倍々に増え、グラフが右上へ急カーブを描いていく様子を確認できます。
経験則の中身は「約2年ごとに2倍」というシンプルなものですが、倍々に積み重なるため、年が進むほど増え方が急になります。これを 指数関数的な増加(=倍々で膨らむ増え方)と呼びます。
どれくらい増えるかを並べると、その勢いが分かります。
・2年後:2倍
・4年後:4倍(2×2)
・10年後:約32倍
・20年後:約1000倍
身近な例で考えると、うわさが広がる速さに似ています。1人が2人に、2人が4人に…と倍々で伝わると、最初はゆっくりでも、あっという間に大勢に広まります。集積度の増加も同じく、倍々の積み重ねで桁違いの差になります。
ムーアの法則は長年おおむね成り立ってきましたが、近年はかつての倍増ペースが鈍ってきているとされています。理由は、トランジスタを小さくする技術が物理的・技術的な限界に近づいてきたためです。
主な背景には次のようなものがあります。
・微細化の限界:トランジスタが原子レベルに近づき、これ以上小さくしにくい
・発熱の問題:詰め込みすぎると熱がこもり、性能を上げにくい
・製造コストの増大:最先端の製造設備に巨額の費用がかかる
とはいえ集積数の増加が止まったわけではありません。1つの石に複数の頭脳を載せるマルチコア化(=計算する核を増やす工夫)など、別の方法で性能向上が続けられています。上のツールの最終ステップで、急成長から鈍化へ移っていく流れを確認できます。