ICをさらに高集積化し、数千〜数万素子以上を1チップに集積した集積回路。
LSI(エルエスアイ、Large Scale Integration=大規模集積回路)とは、ICをさらに高集積化し、数千〜数万個以上の素子を1つの半導体チップに詰め込んだ集積回路のことです。IC(集積回路)は素子をチップにまとめた電子部品、その集積度を一段と高めたものがLSIです。
ICが登場した後、半導体を作る技術がどんどん進歩し、素子をより小さく・より細かく作れるようになりました。その結果、同じ大きさのチップに桁違いに多くの素子を載せられるようになり、「大規模(Large Scale)」と呼ぶにふさわしい集積度に達したのがLSIです。
身近な例で考えると、小さな書店から大型書店への成長に似ています。同じ建物でも棚を細かく工夫すれば、扱える本の数は何倍にも増えます。LSIも素子を細かく作ることで、ICよりはるかに多くの機能を1チップに収めます。上の図解で、ICからLSIへと素子の数が増えていく様子を確認してください。
LSIとICは「素子を1チップに集積した回路」という点では同じ仲間です。違いは集積度(1チップに載る素子の数)の大きさにあります。
| 項目 | IC | LSI |
|---|---|---|
| 正式名称 | 集積回路 | 大規模集積回路 |
| 英語 | Integrated Circuit | Large Scale Integration |
| 素子数の目安 | 〜数百個 | 数千〜数万個以上 |
| 集積度 | 小規模 | 大規模(ICより高い) |
押さえておきたいポイントは次の3つです。
・区切りは目安:ICとLSIの素子数に厳密な境界線はなく、おおよその規模で呼び分けます
・名前の意味:LSIの「L」は Large(大規模)。集積度がさらに上がると VLSI(超大規模)・ULSI(極超大規模)と呼び名が変わります
・仲間の関係:LSIはICの一種で、ICを高集積化した発展形と考えると分かりやすいです
身近な例で考えると、「町」と「大都市」の関係に似ています。どちらも人が集まって暮らす場所ですが、規模がまったく違います。ICとLSIも、回路として同じ仕組みでありながら、詰め込まれた素子の数(人口にあたるもの)が桁違いに違う、という関係です。
LSIは、その高い集積度を生かして、コンピュータの中心的な部品に幅広く使われています。数千〜数万以上の素子をまとめられるため、複雑で高度な機能を小さなチップ1枚で実現できるからです。
代表的な用途には次のようなものがあります。
・CPU(中央処理装置):計算や命令の実行を担う、コンピュータの頭脳
・メモリ(記憶装置):データやプログラムを一時的に記憶する
・画像・通信処理用チップ:映像処理やネットワーク通信などの専用処理
これらはいずれも多数の素子を必要とするため、LSI(あるいはさらに高集積なVLSI・ULSI)で作られます。
身近な例で考えると、家電製品の頭脳と言えます。パソコン・スマートフォンはもちろん、テレビ・洗濯機・自動車に至るまで、なんらかの判断や制御を行う機器の中にはLSIが組み込まれています。集積度が高いほど多機能で小型な機器が作れるため、私たちの身のまわりの電子機器の小型化・高性能化は、LSIの進歩に支えられているのです。
Q1.LSI(大規模集積回路)の説明として最も適切なものはどれですか。
Q2.ICとLSIの主な違いはどれですか。
Q3.LSIの用途として一般的でないものはどれですか。