複数の一次方程式を同時に満たす変数の値を求める問題
連立一次方程式とは、複数の一次方程式(xy が掛け合わさったり 2 乗が出てこない、直線になる式)を同時に成り立たせる x, y の値を求める問題です。「一次」とは、変数の最大の次数が 1(x や y はあっても x² はない)という意味です。
身近な例で言うと、「りんご 1 個とみかん 1 個で 5 個買い、りんごはみかんより安い」のように、複数の条件を同時に満たす組み合わせを 1 つに絞り込む作業です。1 本の式だけでは答えが無数にありますが、条件(式)が増えるほど答えは絞られます。
上のツールで各係数のスライダーを動かすと、2 本の直線の傾きや切片が変化します。2 直線が交わる 1 点が、両方の式を同時に満たす「解」です。係数を変えて、交点がどう動くか観察してみてください。
連立一次方程式を解く方法は、大きく 3 つあります。どれを使っても答えは同じになります。
・代入法:一方の式を「y =(x の式)」の形にして、もう一方の式に代入する。変数を 1 つに減らして解く方法
・加減法:2 つの式を足したり引いたりして、片方の変数を消す方法。係数をそろえてから引き算するのがコツ
・行列(クラメルの公式):係数を行列にまとめ、行列式(= ad − bc という値)を使って機械的に解く方法。変数が増えても同じ手順で解けるのが強み
行列で解く場合、係数を 2×2 の行列に並べ、解は次の式で求まります(変数が 2 つの場合)。
┌ a₁ b₁ ┐┌ x ┐ = ┌ c₁ ┐
└ a₂ b₂ ┘└ y ┘ └ c₂ ┘
D = a₁b₂ − a₂b₁
x = (c₁b₂ − c₂b₁) / D
y = (a₁c₂ − a₂c₁) / D
手計算では代入法・加減法が速いですが、コンピュータでは行列を使った解法(ガウスの消去法など)が使われます。「行列式 D が 0 かどうか」で解の有無が決まる点が重要です。
連立一次方程式には、必ずしも「ちょうど 1 つの解」があるとは限りません。2 直線の位置関係によって、解の個数は次の 3 パターンに分かれます。
・解が 1 つ:2 直線が 1 点で交わる。最も普通のケース。行列式 D = ad − bc ≠ 0
・解なし:2 直線が平行で交わらない。傾きが同じで切片が違う。D = 0
・解が無数:2 直線が完全に重なる(同じ直線)。どの点も両方の式を満たす。D = 0
身近な例で言うと、「2 つの条件が矛盾している」と解なし(例: x が 3 でもあり 5 でもある、はあり得ない)、「2 つの条件が実は同じ」だと解が無数(条件が 1 つ分しかないので絞り込めない)になります。
行列式が 0 になると一意な解が求まらない、というのは重要な性質です。上のツールで「解なし」「解が無数」のプリセットを選び、行列式 D が 0 になることと、グラフ上で交点が現れない(または重なる)ことを確かめてください。