多数の電子素子を1つの半導体チップ上に集積した電子部品。
IC(アイシー、Integrated Circuit=集積回路)とは、トランジスタ・抵抗・コンデンサといった多数の電子素子を、1枚の小さな半導体チップの上にまとめて作り込んだ電子部品のことです。素子とは、電子回路を作るための基本的な部品のことです。
ICが登場する前は、こうした素子を1つずつ基板に並べてはんだ付けしていました。ICは、これらをシリコンというごく薄い半導体の板の上にまとめて焼き付けることで、回路全体を爪ほどの大きさに収めます。外側にはたくさんの金属の足(ピン)が出ていて、ここから電源や信号をやり取りします。
身近な例で考えると、大きなオフィスビルのようなものです。以前は会議室・倉庫・受付がそれぞれ別の建物だったのを、1棟のビルにまとめて配置すれば、移動が速くなり場所も取りません。上の図解で、バラバラの部品が1つのチップにまとまり、内部に多数の素子が詰め込まれている様子を確認してください。
ICは1チップに詰め込む素子の数(=集積度)によって呼び名が変わります。集積度が高いほど、小さなチップにより多くの機能を載せられます。代表的な区分は次のとおりです。
| 区分 | 正式名称 | 素子数の目安 |
|---|---|---|
| IC | 集積回路(Integrated Circuit) | 〜数百 |
| LSI | 大規模集積回路(Large Scale Integration) | 数千〜数万 |
| VLSI | 超大規模集積回路(Very Large〜) | 数十万〜数百万 |
| ULSI | 極超大規模集積回路(Ultra Large〜) | 数百万以上 |
呼び名の頭に付く言葉は、集積度の大きさを表します。
・LSI:Large(大規模)
・VLSI:Very Large(超大規模)
・ULSI:Ultra Large(極超大規模)
このように、L→VL→ULと「大きい」を表す言葉が重なっていくほど集積度が高くなります。
ただし、これらの区分の素子数はあくまで目安です。明確な境界線が決まっているわけではなく、半導体技術の進歩とともに基準も変わってきました。現在の最新CPUは数十億個もの素子を集積しており、もはやどの呼び名も超える規模になっています。
ICはその後、技術の進歩によって同じ大きさのチップにより多くの素子を詰め込めるように発展していきました。素子をどんどん小さく作れるようになったため、集積度が飛躍的に高まったのです。
その代表がLSI(大規模集積回路)です。ICがおよそ数百個の素子だったのに対し、LSIは数千〜数万個もの素子を1チップに集積します。さらに進むとVLSI・ULSIへと続き、集積度はますます高まります。
・集積度が上がるメリット:小型化・高速化・低消費電力化・低コスト化
・背景にある技術:素子をどれだけ細かく作れるか(微細化)
身近な例で考えると、地図の縮尺に似ています。同じ1枚の紙でも、細かく描けるほど多くの街を載せられます。半導体も、素子を細かく作れるほど同じ面積にたくさん詰め込め、その積み重ねがLSIやさらに大規模な集積回路へとつながっていきました。CPUやメモリといった現代のコンピュータの心臓部は、すべてこの集積度の進歩の上に成り立っています。
Q1.IC(集積回路)の説明として最も適切なものはどれですか。
Q2.1チップに集積する素子の数が多い順に並べたものはどれですか。
Q3.ICの集積度が高まることで一般に得られる効果として、適切でないものはどれですか。