FE EXAM

フィードフォワード制御(外乱を先読みして補正)

外乱を事前に予測して先回りで制御信号を補正する方式

DIAGRAM
外乱
フィードフォワード補正
制御対象
出力

① 外乱を予測して先回りで補正する仕組み

外乱(例: 外気温の変化)外乱センサ外乱を事前に検知FF 制御器補正量を計算+制御対象(エアコン+部屋)基本の操作量(目標値に基づく)予測値補正量外乱が出力に与える影響(点線)操作量出力外乱が出力を乱す前に、補正量を操作量へ先回りで足し込む

② フィードバック制御との比較

制御器制御対象出力外乱フィードバック制御(事後)出力を測って戻し、ズレてから直す外乱が出力を乱した「後」に検知して補正→ 反応は遅れるが、どんな外乱にも対応外乱FF 制御器制御対象先読みフィードフォワード制御(事前)出力外乱を予測して「先」に補正する外乱が出力を乱す「前」に先回りで補正→ 反応は速いが、予測できる外乱に限る
解説

📌
フィードフォワード制御とは

外乱を予測先に補正制御対象出力が乱れる「前」に手を打つ= フィードフォワード(前向き送り)

フィードフォワード制御とは、出力に影響を与える外乱を事前に予測し、その影響が出る前に先回りで制御信号(操作量)を補正する制御方式のことです。フィードフォワード(feedforward)は「前向きに送る」という意味で、結果を待たずに先手を打つのが特徴です。

ここで外乱(がいらん)とは、「出力を目標値からずらそうとする外部の乱れ」のことです。たとえばエアコンなら、急に窓を開けて外気が入ってくることや、人が大勢入って室温が上がることが外乱にあたります。

身近な例で考えると、天気予報を見て先に上着を用意するのに似ています。「明日は寒くなる(外乱の予測)」と分かれば、寒さを感じてから(結果を見てから)あわてるのではなく、前もって厚着をして備えられます。上の図①が、まさにこの「先回り」の流れを表しています。

📌
外乱予測の仕組み

フィードフォワード制御の心臓部は、「外乱を測って、それが出力にどれだけ影響するかを計算し、その分を打ち消す」という流れです。上の図①の上半分がこの仕組みを示しています。

具体的な手順は次のとおりです。
外乱を検知:外乱センサが外気温などの乱れの大きさを測る
影響を予測:FF 制御器が「この外乱なら出力がこれだけ乱れる」と計算する
補正量を決定:その乱れを打ち消すための補正量を求める
先回りで操作:基本の操作量に補正量を足し込み、外乱が出力を乱す前に手を打つ

ポイントは、フィードフォワード制御が出力(結果)を一切見ていないことです。あくまで「外乱の大きさ」と「外乱が出力に与える影響のモデル(予測式)」だけを頼りに補正します。そのため外乱を正確に測れて、影響を正しく予測できるときに大きな効果を発揮します。逆に、予測式が実際とずれていたり、予測できない外乱が来たりすると、補正しきれず出力がずれてしまいます。

📌
フィードバックとの比較

フィードフォワード制御とフィードバック制御は、外乱への対応のタイミングが正反対です。上の図②に並べて示したとおり、片方は「事前」、もう片方は「事後」です。

項目フィードフォワード制御フィードバック制御
対応のタイミング事前(先回り)事後(ズレてから)
出力の測定しないする(センサで測る)
頼りにするもの外乱の予測と影響モデル出力と目標値の差(偏差)
反応の速さ速い遅れがち
弱点予測できない外乱に弱いズレが起きるまで補正できない

それぞれに長所と短所があるため、実際の機器では両方を組み合わせて使うことがよくあります。
フィードフォワードで予測できる外乱に先回り対応して反応を速くする
フィードバックで予測しきれなかった残りのズレを後から確実に直す

両者は、「フィードフォワード = 外乱を予測して事前に補正(出力は見ない)」フィードバック = 出力を測り目標値とのズレを事後に補正」という対比で整理できます。「先回りか、後追いか」で見分けるとよいでしょう。

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