電流を一方向だけに流すダイオードの性質を利用して交流を直流に変換する作用。
ダイオードとは、電流を一方向(順方向)にだけ流し、逆方向にはほとんど流さない電子部品です。電気の「一方通行」を作る部品だと考えると分かりやすいです。整流作用とは、この一方通行の性質を使って交流を直流に変える働きのことです。
身近な例で考えると、水道管の逆止弁(ぎゃくしべん)に似ています。逆止弁は押される向きには開いて水を通し、逆向きには閉じて水を通しません。ダイオードもまったく同じで、順方向の電気は通し、逆方向の電気は止めます。
上のツールで▶ボタンを押すと、向きが入れ替わる交流入力に対して、ダイオードがプラスの半周期だけを通し、出力が一方向にそろっていく流れを確認できます。
交流(=プラスとマイナスを周期的に行き来する電気)をダイオードに通すと、向きの一定な直流に近づきます。整流のしかたには大きく2種類あります。
・半波整流:ダイオード1個で、プラスの半周期だけを通す。マイナスの半周期は捨てるので、出力は飛び飛びの脈流になる
・全波整流:4個のダイオードを組んだ回路(ダイオードブリッジ)で、マイナスの半周期も向きを反転させて取り出す。両方の半周期を活かせる
整流しただけの出力は、まだ波打った「脈流」です。そこへコンデンサ(=電気を一時的にためる部品)を加えると、山と山の谷間を埋めるように波が平らになり、ほぼ一定の直流が得られます。全波整流は半周期を捨てない分、半波整流より平らにしやすく効率がよいのが利点です。上のツールでシナリオを切り替えると、半波と全波の出力波形の違いを見比べられます。
整流作用がいちばん使われるのが、電源回路です。家庭のコンセントから来る電気は交流ですが、スマホやパソコンの中身は直流で動きます。そのギャップを埋めるのが整流回路です。
ACアダプタ(充電器)の中では、おおむね次の順で電気が変換されます。
・① 変圧:コンセントの高い交流電圧を、機器が使える低い電圧に下げる
・② 整流:ダイオードで交流を一方向の脈流に変える
・③ 平滑:コンデンサで波をならして、ほぼ一定の直流にする
このほかにも、ダイオードは電流を逆向きに流さないための「逆流防止」や、ラジオの電波から音声信号だけを取り出す「検波」などにも使われます。いずれも「一方向にだけ流す」というダイオードの基本性質を応用したものです。