FE EXAM

CMOS(相補型MOS)

P型とN型のMOSトランジスタを組み合わせ、消費電力を抑えた半導体回路方式。

DIAGRAM
PMOS(P型)
NMOS(N型)
電源・GND
CMOSインバータ(NOT回路)— 1の入力と0の入力入力 = 0電源 (Vdd)PMOSON(導通)出力1NMOSOFF(遮断)GND (0V)入力 0電源側だけ繋がり 出力は1(High)上下が同時にONにならない → 貫通電流なし入力 = 1電源 (Vdd)PMOSOFF(遮断)出力0NMOSON(導通)GND (0V)入力 1GND側だけ繋がり 出力は0(Low)上下が同時にONにならない → 貫通電流なし
解説

📌
CMOSとは

2種類のMOSトランジスタをペアで使うPMOSP型+NMOSN型= CMOS(相補型)

CMOS(シーモス、Complementary MOS=相補型MOS)とは、P型とN型という性質が逆のMOSトランジスタをペアにして組み合わせた回路方式のことです。MOSトランジスタとは、電圧でスイッチのオン・オフを切り替えられる小さな電子部品のことです。

「相補(Complementary)」とは「お互いを補い合う」という意味です。CMOSでは2種類のトランジスタが以下のように逆向きに動きます。
PMOS(P型):入力が0のときON、1のときOFF
NMOS(N型):入力が1のときON、0のときOFF
一方がONなら必ずもう一方がOFFになる、という関係です。

身近な例で考えると、シーソーに似ています。片方が下がれば必ずもう片方が上がる──CMOSもこのように2つのトランジスタが必ず逆の状態になります。上の図解で、入力が0のときと1のときで、PMOSとNMOSのON/OFFが入れ替わる様子を確認してください。今のコンピュータのICの大部分はこのCMOSで作られています。

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構造の特徴

電源とGNDの間にPMOSとNMOSを縦に積む電源PMOS出力NMOSGND

CMOS回路は、電源とGND(グラウンド=基準となる0Vの線)の間に、PMOSとNMOSを上下に縦積みする構造を基本とします。一番代表的なのが、入力を反転させるインバータ(NOT回路)です。

この構造のポイントは、PMOSとNMOSが必ず逆に動くことです。
入力が0:上のPMOSがON、下のNMOSがOFF → 出力は電源側とつながり1
入力が1:上のPMOSがOFF、下のNMOSがON → 出力はGND側とつながり0
このように、出力は必ず電源かGNDのどちらか一方にだけつながります。

上下のトランジスタが同時にONになることがないのが構造上の最大の特徴です。これは水道の蛇口に例えると、上の蛇口(電源)と下の排水口(GND)が決して同時には開かない、という仕組みに似ています。AND・OR・フリップフロップなど、複雑な回路もこのペア構造を組み合わせて作られています。

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低消費電力の理由

電源からGNDへ電流が貫通しない電源ONOFFGND×電流ストップ

CMOSが広く使われる最大の理由は消費電力がとても小さいことです。前のカードで見たとおり、入力が0でも1でも、PMOSとNMOSのどちらか一方は必ずOFFになっています。

電気は「電源 → トランジスタ → GND」とひとつながりの道ができたときだけ流れます。CMOSでは途中の片方が必ずOFF(遮断)なので、電源からGNDへ電流が突き抜けて流れ続けることがありません
待機時(信号が変化しないとき):ほとんど電流が流れず、電力消費はほぼゼロ
切り替わる瞬間だけ:出力につながる電気をためる/抜くために少しだけ電流が流れる

身近な例で考えると、節水トイレに似ています。普段は水を流しっぱなしにせず、レバーを動かした瞬間だけ水を使う──CMOSも信号が変化した瞬間だけ電気を使い、止まっている間は無駄遣いしません。この低消費電力という性質のおかげで、スマートフォンやノートパソコンのように電池で動く機器でも長時間使えるのです。

✏️
練習問題

Q1.CMOSの「相補型」とは、どのような組み合わせを指しますか。

Q2.CMOSの消費電力が小さい主な理由はどれですか。

Q3.CMOSインバータで入力が1のとき、出力はどうなりますか。

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