FE EXAM

ASIC(特定用途向け集積回路)

特定の用途専用に設計・製造されるカスタム集積回路。

DIAGRAM
ASIC(専用設計)
汎用IC
汎用IC と ASIC の違い汎用IC(既製品)機能A使う機能B未使用機能C使う機能D未使用機能E未使用機能F未使用多機能だが未使用部分も多い → 1個あたり安価ASIC(専用設計)機能A機能C専用回路必要な機能だけ → 小型・高速・低消費電力VSASIC ができるまで(一度作ると変更できない)回路を設計用途専用マスク製作型を作る工場で製造大量生産完成チップ機能は固定製造後に機能を書き換えることはできない(書き換え可能なのは FPGA)
解説

📌
ASICとは

1つの用途専用に作るチップASIC専用回路用途: 例えば「画像処理だけ」他の用途には使えない

ASIC(エーシック、Application Specific Integrated Circuit = 特定用途向け集積回路)とは、ある1つの用途のためだけに専用設計・製造された集積回路(IC = たくさんの電子回路を1枚のチップに詰め込んだ部品)のことです。

身近な例で考えると、専用の調理器具に似ています。何でも切れる万能包丁(汎用IC)に対して、リンゴの皮むき専用器のような道具がASICです。やれることは1つだけですが、その作業に関しては速く・無駄なくこなせます。家電製品やゲーム機、暗号通貨のマイニング装置など、決まった処理を大量にこなす機器の中で活躍しています。

上の図解では、左の汎用ICが多機能ゆえに未使用の回路を抱えるのに対し、右のASICは必要な機能だけを詰め込んでいる様子を示しています。

📌
特定用途設計の利点

専用化で得られる3つのメリット小型高速低消費電力ただし設計・製造の初期費用は高い

必要な機能だけに絞って回路を作るため、余計な部分がありません。これにより次のような利点が生まれます。
小型化:使わない回路を載せないので、チップを小さくできる
高速処理:その処理に最適化された回路なので、汎用部品より速い
低消費電力:無駄な回路が動かないため、電力消費を抑えられる
量産時に低コスト:同じものを大量に作れば、1個あたりの単価が下がる

一方で弱点もあります。設計とマスク(製造に使う型)の作成に多額の初期費用と長い開発期間がかかる点です。少量しか作らないと1個あたりが割高になるため、ASICは大量生産する製品でこそ真価を発揮します。たとえば、専用の型を作って大量に焼く「たい焼き機」のようなもので、たくさん焼くほど1個あたりが安くなるイメージです。

📌
FPGAとの違い

製造後に書き換えられるか?ASIC固定(変更不可)FPGA書き換え可能ここが最大の違い

ASICとよく比較されるのがFPGA(エフピージーエー = 製造後に内部の論理を書き換えられる集積回路)です。一番大きな違いは、製造後に機能を変更できるかどうかです。

項目ASICFPGA
製造後の変更不可(固定)可能(書き換え自由)
処理速度・電力速い・低消費電力ASICよりやや劣る
初期費用高い低い
量産単価安い高め
向く場面大量生産の確定仕様少量・試作・仕様変更

言い換えると、ASICは「型に流し込んで固めた完成品」、FPGAは「何度でも組み替えられるブロック」のような関係です。仕様がしっかり固まっていて大量に作る製品にはASIC、まだ仕様が変わりそうな試作段階や少量生産にはFPGAが向いています。

練習問題

Q1ASIC の説明として最も適切なものはどれか。

Q2特定用途専用に設計された ASIC の利点として適切でないものはどれか。

Q3ASIC と FPGA を比較した記述のうち、正しいものはどれか。

関連コンテンツ

ASIC | Vizigo