FE EXAM

加速度センサ(MEMSの仕組み)

物体の加速度(速度変化)を検出するセンサ

DIAGRAM
おもりばね電極
MEMS加速度センサの構造(おもり+ばね+静電容量電極)静止 / 等速のとき固定フレーム(センサの土台)固定電極固定電極おもり(可動)隙間d(上)隙間d(下)上下の隙間が等しい → 静電容量も等しい加速したとき加速の向き →おもりが慣性でずれる慣性で逆向きに変位隙間が変化 → 静電容量が変化 → 電気で検出加速 → おもりが慣性で変位 → 電極間の隙間(静電容量)が変化 → その変化を電気信号として読み取る

応用例:スマートフォンの画面回転など

縦持ち傾ける横持ち(自動回転)重力の向きから「どちらが下か」を判定加速度センサのおもな用途スマホ・タブレットの画面の自動回転歩数計・活動量計(歩くたびの揺れを検出)自動車のエアバッグ展開(衝突の急減速を検出)ゲーム機やコントローラの傾き操作カメラの手ブレ補正
解説

📌
加速度センサとは

止まった車急加速速度が変化=加速度速度そのものではなく「速度の変化」を測る

加速度センサとは、物体の加速度(=速度がどれだけ急に変化したか)を検出するセンサのことです。ここでいう加速度とは「単位時間あたりの速度の変化量」のこと。アクセルを踏んで車が速くなる、ブレーキで急に遅くなる、こうした「速度の変わり方」を電気信号として測ります。

重要なのは、速度そのものではなく速度の変化を測る点です。たとえば一定速度で走る新幹線の中では、加速度センサはほとんど何も検出しません(速度が変わっていないため)。発車時・停車時・カーブで体が振られる瞬間にだけ、はっきりした値が出ます。

また、加速度センサは重力も「下向きの加速度」として検出できます。これにより、機器が「どちらの方向が下か(傾き)」を知ることができ、スマホの画面自動回転などに利用されています。上の図解で、加速したときにおもりが慣性でずれる様子を確認してみてください。

⚙️
MEMSの仕組み

おもり固定電極固定電極隙間が変わると静電容量(C)が変わる

スマホなどに入っている加速度センサは、MEMS(メムス=Micro Electro Mechanical Systems、微小電気機械システム)という技術で作られています。これは、ばね・おもり・電極といった機械の部品を、髪の毛より細いミクロの大きさで半導体チップの上に作り込んだものです。

検出の仕組みは次のとおりです。
おもりとばね:固定フレームに対し、おもりがばねでつるされている。加速するとおもりは慣性で取り残され、加速の向きと逆にずれる
静電容量の変化:おもりの両側には電極があり、おもりがずれると電極との隙間が変わる。隙間が変わると静電容量(電気をためる量)が変化する
電気信号化:この静電容量の変化を電子回路が読み取り、加速度の大きさと向きに変換する

身近な例で言うと、電車が急発進したとき、つり革が後ろに振れるのと同じ原理です。つり革(おもり)は慣性でその場に残ろうとするため、進行方向と逆にずれます。MEMSは、このずれをミクロの世界で電気的に測っているわけです。チップ化により非常に小型・安価になり、あらゆる機器に組み込めるようになりました。

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用途(スマホ・自動車等)

📱スマホ🚗自動車活動量計

加速度センサは小型・安価になったことで、身のまわりのあらゆる電子機器に組み込まれています。検出するのは「速度の変化」と「重力(傾き)」なので、用途は動きや姿勢に関するものが中心です。

スマートフォン・タブレット:本体の傾きから「縦か横か」を判定して画面を自動回転する。歩数計アプリも歩くたびの揺れを数えている
自動車:衝突時の急減速を検知してエアバッグを瞬時に展開する。横滑り防止装置(ESC)でも車体の動きを監視する
活動量計・スマートウォッチ:歩行・走行・睡眠中の体の動きを記録する
ゲーム機・カメラ:傾けて操作するゲーム、撮影時の手ブレ補正に使う

加速度センサは「直線的な動き(並進)の変化」を測るセンサです。これに対し「回転の速さ」を測るのはジャイロセンサであり、両者は役割が異なります。スマホでは両方を組み合わせて、より正確に姿勢や動きを把握しています。

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