FE EXAM

ACモーター(交流モーター)

交流電源で動き、丈夫で大型機器に使われるモーター。

DIAGRAM
固定子(コイル)回転磁界回転子

① 誘導モーターの構造(回転磁界 + かご形ロータ)

固定子(ステータ)巻線UVW回転磁界磁界が回るかご形ロータ磁界に引かれて少し遅れて回転誘導モーターの動く仕組み① 3相交流を固定子コイルに流す② コイルが順番に磁石になり「回転磁界」が生まれる③ 回転磁界が回転子(導体)を横切る④ 電磁誘導で回転子に電流が流れ、磁石になる⑤ 回転磁界に引きずられて回転子が回る※ 回転子は磁界より少し遅れて回る この速度差を「すべり」と呼ぶ(誘導モーターの特徴) 磁石や電源接続が不要 → 丈夫で安価

② 誘導モーターと同期モーター

誘導モーター・回転子に電磁誘導で電流を流して回す・磁界より少し遅れて回る(すべりあり)・構造が単純で丈夫・安価・保守が楽例: 工場の動力、ポンプ、エアコン同期モーター・回転子に磁石を使い、磁界と同じ速さで回る・回転速度が電源周波数で正確に決まる(すべりなし)・速度が一定で精密だが構造はやや複雑例: 時計、レコード、精密機器

③ DCモーターとの比較

項目ACモーターDCモーター
電源交流(AC)直流(DC)
ブラシ・整流子不要(誘導形)必要
構造・耐久性単純で丈夫・長寿命ブラシが摩耗する
速度制御苦手(周波数制御が必要)簡単(電圧で調整)
得意な用途大型・連続運転小型・精密な速度調整
解説

📌
ACモーターとは

コンセントの交流で回転磁界をつくるAC〜交流電源回転磁界で回る

ACモーター(交流モーター)とは、交流電源(AC=電流の向きが周期的に入れ替わる電流。家庭のコンセントの電気)で回転するモーターです。コンセントから直接電気をとって動かせるのが特徴です。

身近な例で言うと、洗濯機・冷蔵庫・換気扇・エアコンの室外機など、家庭やビル・工場でコンセント(または電源線)につないで使う多くの機器のモーターがACモーターです。

ACモーターの基本部品は、外側で磁界をつくる固定子(ステータ)と、内側で回る回転子(ロータ)です。DCモーターと違ってブラシや整流子を持たないタイプ(誘導モーター)が多く、その分丈夫で長持ちします。上の図解①で構造を確認してください。

⚖️
誘導・同期の違い

ACモーターは大きく誘導モーター同期モーターの2種類に分かれます。どちらも固定子がつくる回転磁界(=ぐるぐる回る磁石のような磁場)を利用しますが、回転子の回り方が異なります。

両者の違いは次のとおりです。
誘導モーター:回転子に磁石を持たず、電磁誘導(磁界が動くと導体に電流が生じる現象)で回転子に電流を流して回す。磁界より少し遅れて回る
同期モーター:回転子に磁石を使い、回転磁界と同じ速さでぴったり回る

誘導モーターで生じる「回転磁界の速さ」と「回転子の速さ」の差をすべりと呼びます。回転子が磁界に追いつくとすべりがゼロになり電流が流れなくなるため、誘導モーターでは必ず少しだけ遅れて回ります。これに対し同期モーターはすべりがなく、回転速度が電源の周波数で正確に決まるので、時計や精密機器に向いています。

身近な例えにすると、誘導モーターは「前を走るランナーを追いかけるが、少し離されてついていく」イメージ、同期モーターは「先導車にロープでつながれて同じ速さで進む」イメージです。

🔌
DCモーターとの比較

ACモーターとDCモーターは、使う電源の種類が根本的に違い、それが構造や得意分野の違いにつながります。上の表③とあわせて整理しましょう。

観点ACモーターDCモーター
電源交流(コンセント)直流(電池・バッテリー)
ブラシ不要(摩耗しない)必要(摩耗・交換あり)
寿命・保守長寿命・メンテ少ブラシ交換が必要
速度調整不得意(インバータが必要)得意(電圧で簡単)
向いている用途大型・連続運転・産業機器小型・精密・移動体

まとめると、ACモーターはコンセントの交流でそのまま動き、ブラシがなく丈夫なので、工場の動力やポンプ・送風機など長時間連続で回す大型機器に向くのが特徴です。一方、DCモーターは電池で動かせて速度調整が簡単なので、おもちゃや車載部品などに向きます。

なお、ACモーターは元々速度を変えにくいのですが、インバータ(=交流の周波数を変える装置)を使えば回転速度を自在に調整できます。エアコンの「インバータ制御」はこの仕組みです。

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