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波長分割多重(WDM)

光ファイバーで異なる波長の光を多重化して同時に伝送する方式

DIAGRAM
λ11530nm)λ21545nm)λ31560nm)λ41575nm)
送信側(各波長の光源)λ11530 nmλ21545 nmλ31560 nmλ41575 nm合波器MUX(多重化)1本の光ファイバー(複数の波長が同時に伝送)光が同時に進む分波器DEMUX(分離)受信側(波長ごとに分離)λ11530 nmλ21545 nmλ31560 nmλ41575 nm
合波器(MUX)が複数の波長の光を 1 本のファイバーにまとめ、分波器(DEMUX)が波長ごとに分離して取り出します。
解説

📌
WDMとは

1本の光ファイバーに複数の色の光赤・橙・緑・青 = 別々の波長

波長分割多重(WDM=Wavelength Division Multiplexing)とは、1 本の光ファイバーの中に、波長(光の色)が異なる複数の光を同時に通して伝送する多重化方式です。多重化=1 本の伝送路に複数の信号をまとめて流す技術のこと。

身近な例で考えると、プリズムを通した虹を思い浮かべてください。1 本の白い光の中には、赤・橙・緑・青…といった異なる色(波長)が混ざっています。WDM はこの逆で、別々の色の光に別々のデータを乗せて 1 本に混ぜ、受信側でまた色ごとに分ける仕組みです。1 本のファイバーが、色の数だけ通信路を持つことになります。

上の図では、4 つの波長(λ1〜λ4)が 合波器で 1 本のファイバーにまとめられ、反対側の 分波器で再び波長ごとに分けられています。これにより、ファイバーを増やさずに通信容量を一気に増やせます。

📌
異なる波長を使う仕組み

合波(MUX)と分波(DEMUX)合波分波

光ファイバーの中を進む光には 「波長」という性質があり、波長が違えば(色が違えば)互いに干渉せずに同じファイバーを共有できます。WDM はこの性質を利用して、波長ごとに別々のデータを乗せます。

送受信は以下の流れで行われます。
合波(MUX):複数の波長の光を 合波器で 1 本のファイバーにまとめる
伝送:1 本のファイバーの中を、異なる波長の光が混ざり合いながら同時に進む
分波(DEMUX):受信側の 分波器がプリズムのように波長ごとに光を分け、それぞれの受信機へ届ける

考え方は FDM(周波数分割多重)の光版です。FDM が電気信号を「周波数」で分けるのに対し、WDM は光を「波長」で分けます。波長と周波数は表裏一体の関係なので、WDM は FDM の一種ともいえます。波長間隔を狭く詰めて多数の波長を扱う方式を DWDM(高密度 WDM)、波長間隔を広くとった簡易版を CWDMと呼びます。

📌
用途(光ファイバー通信)

WDM は 大容量の光ファイバー通信を支える中核技術です。すでに敷設済みの 1 本のファイバーに多数の波長を乗せるだけで通信容量を何倍にも増やせるため、新たにファイバーを敷設するコストを抑えながら大容量化できます。

代表的な利用例は以下のとおりです。
通信事業者の基幹網(バックボーン):都市間・大陸間を結ぶ大容量回線
海底ケーブル:国際間の通信を担う光海底ケーブルで大量の波長を多重
データセンター間接続:拠点間を結ぶ高速・大容量の光リンク

試験のポイントとして、WDM は 「光ファイバー」「波長(光の色)で分ける」「FDM の光版」がキーワードです。TDM(時間で分ける)・FDM(周波数で分ける)・WDM(波長で分ける)の 3 つを 「何で分けるか」で整理すると、多重化方式の問題で迷いません。

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