異なるネットワーク間で経路を選びデータを中継する機器。
ルータとは、異なるネットワーク間で経路を選び、データを中継する機器です。たとえば自宅のLANとインターネットのように、別々のネットワークをつなぐ役割を担います。
ネットワーク(=つながったコンピュータの集まり)が違うと、そのままではデータを届けられません。ルータは両方のネットワークに足を置き、宛先のIPアドレスを見て「どちらのネットワークへ送ればよいか」を判断してデータを渡します。
身近な例で考えると、町と町をつなぐ交差点の交通整理に似ています。各地から来た荷物(データ)の宛先を見て、正しい道へ送り出すのがルータの仕事です。上の図解では、ネットワークAのPCからネットワークBのPCへ、ルータが経路を選んで届ける様子を示しています。
ルータは、OSI参照モデル(=通信の役割を7つの層に分けた考え方)のネットワーク層(第3層, L3)で動作します。L3で扱うIPアドレスを見て、宛先のネットワークを判断するためです。
動作する層によって、機器が「何を手がかりに転送するか」が変わります。
・ルータ(L3):IPアドレスを見て、異なるネットワーク間を中継する
・L2スイッチ(L2):MACアドレスを見て、同じネットワーク内で転送する
・ハブ(L1):宛先を見ず、信号をそのまま全ポートに流す
ルータが「異なるネットワークをまたげる」のは、IPアドレスという世界共通の住所を読み取れるからです。MACアドレスだけを見るL2スイッチは同じネットワーク内でしか配達できませんが、ルータはより広い視点で配達先を判断できます。
ルーティングとは、データを宛先まで届けるための経路を選ぶ処理のことです。ルータはこの判断のためにルーティングテーブル(経路表)という一覧を持っています。
データを受け取ったルータは、次の手順で配達先を決めます。
・① 受信したパケット(=データの小包)の宛先IPアドレスを読む
・② ルーティングテーブルと照らし合わせ、その宛先に合う行を探す
・③ 見つかった「次の転送先」へパケットを送り出す
テーブルに載っていない宛先は、デフォルトルート(0.0.0.0/0)として「とりあえず外部へ」送ります。これはちょうど、宛先不明の荷物を「本局へ回す」郵便局の仕組みに似ています。複数のルータがこの中継をバケツリレーのように繰り返すことで、データは世界中のどこへでも届くのです。
ルータは宛先のIPアドレスを見て経路を決めます。なぜIPアドレスかというと、IPアドレスには「どのネットワークに属しているか」という情報が含まれているからです。
IPアドレスは「ネットワーク部+ホスト部」という2つの部分でできています。
・ネットワーク部:どのネットワークかを表す(住所でいう「都道府県・市区町村」に相当)
・ホスト部:そのネットワーク内の個別の機器を表す(「番地・部屋番号」に相当)
ルータは受け取ったパケット(=データの小包)の宛先IPアドレスからネットワーク部だけを取り出し、ルーティングテーブルと照らし合わせます。「宛先は10.0.0.xのネットワーク → そちら側のポートへ転送」という判断です。同じネットワーク内にしか届けられないL2スイッチと違い、ルータは世界中のどこへでも中継できます。
デフォルトゲートウェイ(=「デフォルト」は「既定の・標準の」という意味、「ゲートウェイ」は「外へ出る門」という意味)とは、PCが自分のネットワークの外にデータを送りたいときに、最初に頼る機器(ルータ)のIPアドレスのことです。
たとえば自宅のPCがWebサイトを開くとき、データはいきなりインターネットへ飛び出せません。まずデフォルトゲートウェイ(= 自宅のルータ)へ送り、そこから先は外のネットワークへ転送してもらいます。
・LAN内の宛先(例: 同じ会社の別のPC):ルータを経由せず直接届けられる
・LAN外の宛先(例: インターネット上のサーバ):まずデフォルトゲートウェイ(ルータ)へ渡す
身近な例で考えると、会社の「守衛室・受付」に似ています。社内への来客(LAN内通信)は直接案内できますが、外から荷物を受け取ったり外へ荷物を出したりするときは、まず守衛(デフォルトゲートウェイ)を通す──というイメージです。PCのネットワーク設定で「デフォルトゲートウェイ」を設定するのは、この「外への出口ルータ」を教えてあげるためです。