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物理層(OSI参照モデル 第1層)

OSI参照モデルの第1層で、電気信号やビットの物理的な伝送を担う層。

DIAGRAM
第1層(物理層)
ビット ↔ 信号
OSI参照モデル(7階層)7アプリケーション層Application6プレゼンテーション層Presentation5セッション層Session4トランスポート層Transport3ネットワーク層Network2データリンク層Data Link1物理層Physical物理層の役割:ビットを信号にして送る送信側 PC1 0 1 1 0受信側 PC1 0 1 1 0符号化ビット→電気信号復号電気信号→ビット伝送媒体(ケーブル・電波・光ファイバ)0と1のビット列を、電圧の高低や光のON/OFFに変換して送る受信側は信号を読み取り、再び0と1のビット列に戻すコネクタ形状・ピン配置・電圧も物理層が決める
解説

📌
物理層とは

0と1を「電気の波」に変えて流す1 0 11 0 1ケーブル・電波・光ファイバを通って届く

物理層とは、OSI参照モデル(=通信の役割を7つの層に分けて整理した世界共通の考え方)の一番下にある第1層で、コンピュータが扱う0と1のビット列を、実際に電気・光・電波などの物理的な信号に変えて相手まで届ける役割を担います。

身近な例で考えると、手紙を運ぶ「道路や郵便トラック」に似ています。手紙の内容(データ)が何であれ、まずは紙という形にして、道路という物理的な経路を通って運ばれます。物理層も、データの中身には関心がなく、ただ「0と1を信号に変えて物理的に運ぶこと」だけに専念します。

上の図解で第1層(赤くハイライト)が物理層です。送信側でビットを信号に符号化(=決まったルールで変換すること)し、ケーブルを通って受信側に届くと、再びビットへ戻されます。

📌
役割

電圧の高さ=1、低さ=0 のように決める1010

物理層が担当するのは、データの中身ではなく「どうやって信号として運ぶか」という物理的な取り決めです。具体的には次のようなことを決めます。
ビットと信号の対応:0と1を電圧の高低・光のON/OFF・電波の有無などにどう割り当てるか
コネクタの形・ピン配置:差し込み口の形状や、どのピンが何の信号かを統一する
伝送速度・電圧レベル:1秒間に何ビット送れるか、何ボルトを使うか

ここで扱う最小単位はビット(0か1の1桁)です。上位の層が作ったデータがどんな意味を持つかは一切気にせず、ただ1ビットずつを信号に変えて流すことだけに集中します。

身近な例では、コンセントの形や電圧の決まりに似ています。どの国でも同じ形・同じ電圧にしておけば、どんな機器でも差し込んで使えます。物理層も「形と電圧と速度」をそろえることで、機器同士がつながるようにしているのです。

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代表的な規格

ツイストペア線光ファイバ光でビット無線電波でビットどれも「ビットを物理信号で運ぶ」点は同じ

物理層には、信号の運び方ごとにさまざまな規格(=世界共通のルール)があります。代表的なものは次のとおりです。
ツイストペアケーブル(LANケーブル):銅線をより合わせた線で電気信号を送る。家庭やオフィスで最も身近
光ファイバ:ガラスの細い線に光を通してビットを送る。高速で長距離に強い
無線(Wi-Fiなど):電波を使ってビットを空中に飛ばす。ケーブルが要らない

また、物理層で動く代表的な機器としてリピータ(弱まった信号を元の強さに増幅して中継する装置)ハブ(複数の機器を物理的に束ねる装置)があります。これらはビットの中身を見ず、信号をそのまま流したり強めたりするだけの機器です。

上の図解のように、ケーブル・光・電波と運び方は違っても、「0と1を物理的な信号に変えて運ぶ」という物理層の本質はどれも同じです。運ぶ手段だけが違うと考えると整理しやすいでしょう。

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符号化の仕組み

1 0 1ビット列符号化変換ルール電気信号(波形)電圧 高=1 / 低=0 のように対応させる

符号化(エンコード)とは、コンピュータの内部にある0と1のビット列を、ケーブルや電波で実際に送れる物理的な信号の形式に変換することです。物理層はこの変換ルールを決め、実行します。

なぜ符号化が必要なのか。コンピュータの内部では0と1を電子の有無で表しますが、これをそのままケーブルに流しても、ノイズ(電気的な乱れ)で信号が化けてしまいます。そこで、受信側が確実に読み取れるように、信号の形式を事前に取り決めるのが符号化の目的です。代表的な方式は次のとおりです。
NRZ(Non-Return-to-Zero):高電圧=1、低電圧=0 という最もシンプルな方式
マンチェスター符号:「電圧が上がるとき=1」「下がるとき=0」のように変化を使う方式。Ethernetでも使われる

受信側はこの変換ルール(符号化方式)を知っているので、届いた信号を逆算(復号)して元のビット列に戻せます。「どの符号化方式を使うか」も物理層が決める取り決めの一部です。身近な例では、モールス信号(長短の音を文字に対応させるルール)も符号化の一種と言えます。ルールを知っている人同士なら正確にやり取りできる、という点が同じです。

📌
上下の層との関係

第2層:データリンク層フレームを渡す第1層:物理層(ここ)伝送媒体(ケーブル・電波)

物理層はOSI参照モデルの一番下(第1層)に位置し、上の第2層(データリンク層)からビット列を受け取り、それを信号に変えて伝送媒体(ケーブル・電波・光ファイバ)に流すという役割です。逆に受信側では、伝送媒体から届いた信号をビット列に戻して上の層に渡します。

なぜ層を分けて考えるのか。物理層は「ビットを運ぶだけ」に集中するため、上の層はケーブルの種類や電圧が何ボルトかを気にせず設計できます。これを「関心の分離(それぞれの層が自分の役割だけを担う設計)」と言います。
物理層が担う:信号への変換・コネクタの形・電圧・伝送速度
物理層が担わない:「どの機器に届けるか」「データの中身は何か」(上の層が担当)

身近な例で考えると、宅配便の「配送トラック(物理層)」とドライバーの役割に似ています。トラックは荷物(データ)の中身が手紙でも食品でも気にせず、とにかく次の拠点まで物理的に運ぶことだけに専念します。荷物を開けて中身を仕分けするのは、届け先(上の層)の仕事です。

練習問題
Q1.OSI参照モデルにおいて、物理層(第1層)が担う役割として最も適切なものはどれか。
Q2.物理層で扱うデータの単位として最も適切なものはどれか。
Q3.物理層に分類される機器または規格はどれか。

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