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ネットワーク層(OSI参照モデル 第3層)

OSI参照モデルの第3層で、宛先までの経路選択とアドレス割当てを担う層。

DIAGRAM
第3層
IPアドレス
経路選択
OSI参照モデル(7階層)7アプリケーション層Application6プレゼンテーション層Presentation5セッション層Session4トランスポート層Transport3ネットワーク層Network2データリンク層Data Link1物理層Physical宛先IPをたよりにルータが経路を選ぶ送信元PC192.168.1.5R1R2R3R4宛先PC10.0.0.8採用された経路(実線)遠回りの経路(点線)は使わない
解説

📌
ネットワーク層とは

遠く離れた相手まで届ける道案内PCRRPC複数のルータを越えて宛先へ

ネットワーク層とは、OSI参照モデル(=通信の役割を7つの層に分けて整理した世界共通の考え方)の第3層で、離れた相手まで、複数のネットワークをまたいでデータを届けるための「住所付け」と「道案内」を担う層です。

下のデータリンク層が「隣の機器まで」しか運べなかったのに対し、ネットワーク層は送信元から最終的な宛先まで(エンドツーエンド)を見渡し、途中のルータを乗り継いで届けます。ここで扱うデータの単位をパケット(=宛先IPなどを付けたデータのかたまり)と呼びます。

身近な例で考えると、郵便の宛先住所と配送ルートに似ています。荷物に住所(IPアドレス)を書いておけば、各地の配送センター(ルータ)が「次はどこへ送ればいいか」を判断して、最終的に宛先へ届けてくれます。上の図解で第3層(赤くハイライト)がこの役割です。

📌
IPの役割

パケットに「宛先IP」を付けて送り出す宛先IP10.0.0.8送信元IP192.168.1.5データこれがネットワーク層のパケット

ネットワーク層の中心となるプロトコル(=通信の取り決め)がIP(Internet Protocol)です。IPは、各機器にIPアドレス(=ネットワーク上の住所を表す番号)を割り当て、パケットに宛先・送信元のIPアドレスを書き込んで送り出します。

IPアドレスには大きく2種類あります。
IPv4:32ビットで表し、192.168.1.5 のように10進数4つで書く
IPv6:128ビットで表し、アドレスの数が圧倒的に多い新しい方式
また、IPアドレスは「どのネットワークか(ネットワーク部)」と「その中のどの機器か(ホスト部)」に分かれており、これがルータの道案内に使われます。

ここで大事なのは、IPは「届けようと努力する」だけで、確実に届く保証はしないという点です。途中でパケットが失われても、IP自身は再送しません。確実さの保証は上のトランスポート層(TCP)が担当する、と覚えておきましょう。

📌
ルーティングの仕組み

ルーティングテーブル(道案内表)宛先次に送る先10.0.0.0/8R3 へ172.16.0.0/12R2 へその他R4 へ

ルーティングとは、パケットを宛先まで届けるために「次にどのルータへ渡すか」を選び続ける仕組みです。これを担当する機器がルータです。

各ルータはルーティングテーブル(=「この宛先なら次はここへ送る」を一覧にした道案内表)を持っています。パケットが届くたびに次の手順を繰り返します。
① 宛先IPを読む:パケットの宛先アドレスを確認する
② テーブルと照合:その宛先に一番合う行を探す
③ 次のルータへ転送:表に書かれた次の送り先へパケットを渡す
これを宛先に着くまでバケツリレーのように繰り返します。

上の図解の通り、行き先が複数あるときは遠回り(点線)ではなく、なるべく良い経路(実線)を選ぶのがルーティングの役目です。カーナビが渋滞を避けて最適ルートを案内するのと同じイメージで捉えると分かりやすいでしょう。

📌
サブネットとネットワークアドレスの仕組み

IPアドレスの「ネットワーク部」と「ホスト部」192.168.1.5ネットワーク部「どの組(グループ)か」ホスト部「その中の何番目か」サブネットマスク: 255.255.255.0 (/24)

IPアドレスは「ネットワーク部(どのグループか)」と「ホスト部(そのグループの何番目か)」の2つに分かれています。どこまでがネットワーク部かを示す値をサブネットマスク(=IPアドレスの境目を表す値)と呼びます。

たとえば 192.168.1.5 / 24 というアドレスは次のように読みます。
ネットワーク部192.168.1(左の24ビット分)=「同じ組(グループ)に属するかどうか」を決める
ホスト部.5(右の8ビット分)=「その組の中の5番目の機器」を指す
・ネットワーク部が同じ機器同士は同一ネットワーク(同じ組)に属し、ルータなしで直接やり取りできます

身近な例で考えると、都市と番地に似ています。「大阪市北区(ネットワーク部)の1番地(ホスト部)」のように、上位の住所でグループを決め、末尾の番号で個人を特定します。ルータは「別の区(別のネットワーク)」への荷物だけ引き受ける配送センターにあたります。

📌
IPアドレスとMACアドレスの違い

2種類の住所の使い分けIPアドレスネットワーク上の論理住所変更できる / ネットワーク層MACアドレス機器固有の物理住所原則固定 / データリンク層「遠くまで届ける」IP +「隣に渡す」MAC で連携

ネットワーク通信では「どこまで届けるか」に使うアドレスが2種類あります。ネットワーク層のIPアドレスと、その1つ下のデータリンク層のMACアドレスです。

項目IPアドレスMACアドレス
どの層?ネットワーク層(第3層)データリンク層(第2層)
役割離れた宛先まで届ける(エンドツーエンド)隣の機器へ渡す(区間ごと)
変更設定で変えられる(論理的)機器固有で原則変えられない(物理的)
192.168.1.5AA:BB:CC:DD:EE:FF

実際の通信では、パケットが宛先に届くまで「ルータを1つ越えるたびにMACアドレスは書き換えられ、IPアドレスは変わらない」という連携が行われます。
IPアドレス:最終目的地(宅配の届け先住所)として最初から最後まで変わらない
MACアドレス:区間ごと(次のルータまで)の「誰に渡すか」を示すラベルで、ルータを越えるたびに書き換わる
身近な例では、飛行機の乗り継ぎ旅行に似ています。最終目的地(東京=IPアドレス)は変わらず、搭乗券(MACアドレス)だけが乗り継ぎごとに替わるイメージです。

練習問題
Q1.OSI参照モデルのネットワーク層(第3層)の役割として最も適切なものはどれか。
Q2.ネットワーク層で使われるIPアドレスに関する説明として最も適切なものはどれか。
Q3.ルーティングを行う機器として最も適切なものはどれか。

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