FE EXAM

ハブ(複数機器をつなぐ集線装置)

複数の機器を束ねて接続する集線装置。

DIAGRAM
ハブ
流れる信号
PC1が送った信号を、ハブは宛先を見ずに全ポートへそのまま流すハブ集線装置(物理層 / L1)PC1送信元PC2受信(不要)PC3本来の宛先PC4受信(不要)宛先PC3だけでなく、関係ないPC2・PC4にも同じ信号が届いてしまう
解説

📌
ハブとは

ハブPC1PC2PC3PC4複数の機器を1か所に束ねる

ハブとは、複数の機器を束ねて接続する集線装置です。複数のLANケーブルを差し込み、機器同士を1つのネットワークにまとめる役割を持ちます。

ハブにはポート(=ケーブルの差込口)が複数あり、そこにPCやプリンタをつなぐと、互いに通信できるようになります。「集線(しゅうせん)」という言葉のとおり、配線を1か所に集めるのが基本的な働きです。

身近な例で考えると、電源タップ(テーブルタップ)に似ています。1つのコンセントから複数の差込口を作るように、ハブは1つのネットワークに複数の機器をぶら下げます。上の図解では、ハブが受け取った信号を全ポートへ流す様子を示しています。

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動作の特徴

宛先を見ずに全ポートへコピーハブ送信PCPCPC全員に届く=衝突や盗み見が起きやすい

ハブ(リピータハブ)の最大の特徴は、宛先を一切判断しないことです。あるポートから受け取った信号を、送信元以外のすべてのポートにそのままコピーして流します

この単純な動作には、次のような特徴(弱点)があります。
無駄が多い:宛先に関係ないPCにも信号が届く
衝突が起きやすい:複数のPCが同時に送信するとデータがぶつかる(コリジョン)
盗み見されやすい:全員に同じ信号が届くため傍受の危険がある

ハブは物理層(第1層, L1)で動作します。これは、MACアドレスやIPアドレスといった宛先情報を読まず、信号を電気的に増幅して中継するだけだからです。仕組みが単純な分、安価で扱いやすいという利点もありました。

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スイッチとの違い

ハブとスイッチ(L2スイッチ)はどちらも複数の機器をつなぐ機器ですが、信号の送り方が大きく異なります。

項目ハブスイッチ(L2)
動作する層物理層(L1)データリンク層(L2)
送り先の判断しない(全ポートへ)MACアドレスで判断
送信範囲送信元以外の全ポート宛先のポートだけ
衝突(コリジョン)起きやすい起きにくい
効率低い高い

最大の違いは「宛先を見るかどうか」です。ハブは宛先を見ず全ポートに送りますが、スイッチはMACアドレス(=機器ごとに割り当てられた固有の番号)を見て、必要なポートだけに送ります。

身近な例で考えると、ハブは全戸に同じチラシを配るのに対し、スイッチは宛名を見て該当の家にだけ手紙を届けるイメージです。効率と安全性で優れるため、現在の有線LANではハブに代わってスイッチが主流になっています。

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なぜハブは全ポートへ流すのか

電気信号ハブ増幅のみポート1ポート2ポート3

ハブが全ポートへ流すのは「そういう設計だから」ではなく、物理層(L1)という層の仕組みそのものによるものです。物理層では信号を「電気の波形」として扱い、宛先を示す情報(MACアドレスなど)を読む機能を持ちません

ハブがやっていることは、受け取った電気信号を単純に増幅して全ポートへ流すだけです。「この信号は誰向けか?」を判断するには、フレームの中の宛先MACアドレスを読む必要があります。しかしそれはデータリンク層(L2)の仕事であり、物理層だけで動くハブには手が届きません。

だからこそ、L2スイッチはハブより1段上のデータリンク層まで対応させた機器として登場しました。「フレームの中の宛先MACアドレスを読んで転送先を選ぶ」という仕事を追加したことで、無駄な全ポート送出をなくせるようになったのです。

📌
半二重通信と衝突の仕組み

ハブ環境では1度に1台しか送信できないPC-A 送信PC-B 待機衝突!データ破損PC-B 送信!送り直しが必要 → ネットワーク全体が遅くなる

ハブを使ったネットワークでは、1度に1台しか通信できない「半二重通信」になります。全機器が同じ1本の線を共有しているため、誰かが送っている間は他の全員が黙って待つ必要があります。

なぜ衝突(コリジョン)が起きるか。待ちきれずに2台以上が同時に送信してしまうと、信号が混ざって読めないデータになります。これをコリジョン(衝突)と呼びます。衝突が起きると、関係した機器は一定時間待ってからデータを送り直します。
台数が増えると:衝突の機会が増え、ネットワーク全体が遅くなる
L2スイッチなら:各ポートが独立しているので、複数台が同時に送信しても衝突しない

身近な例では、ハブは1本しかない道路(追い越し禁止)、スイッチは複数車線の道路のイメージです。台数が少なければハブでも問題ないですが、機器が増えれば増えるほどL2スイッチの優位性が大きくなります。

練習問題

🎯
基本情報技術者 練習問題

Q1.ハブ(リピータハブ)の説明として最も適切なものはどれか。
A.宛先のMACアドレスを見て、必要なポートだけにデータを送る
B.受信した信号を、送信元以外のすべてのポートにそのまま流す
C.異なるネットワーク間で経路を選んで中継する
D.IPアドレスを別のIPアドレスに変換する
Q2.ハブが動作するOSI参照モデルの階層はどれか。
A.物理層(第1層)
B.データリンク層(第2層)
C.ネットワーク層(第3層)
D.トランスポート層(第4層)
Q3.ハブとスイッチ(L2スイッチ)の違いとして正しいものはどれか。
A.ハブは宛先のポートだけに送り、スイッチは全ポートに送る
B.ハブは全ポートに送り、スイッチは宛先のポートだけに送る
C.どちらも宛先のポートだけに送る点は同じである
D.ハブはIPアドレスで、スイッチはMACアドレスで転送する

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