搬送波の周波数の高低で0と1を表す変調方式
FSK(Frequency Shift Keying=周波数偏移変調)とは、デジタルの0と1を、搬送波(=情報を運ぶ基準となる波)の周波数(=波の細かさ・1秒あたりの振動回数)の高低で表す変調方式です。
身近な例で言うと、笛の音の高さで合図を送るイメージです。高い音(ピー)が鳴ったら「1」、低い音(ボー)が鳴ったら「0」と決めれば、音の高さ=周波数の違いだけで情報を伝えられます。昔のFAXやモデム(電話回線でデータを送る装置)の「ピーヒョロロ」という音は、まさにFSKで0と1を音の高さに変えて送っている音です。
上のツールでビット列のマスをクリックすると波形が変わります。1のマスは波が細かく(高周波)、0のマスはゆったり(低周波)振動することを確認してください。波の高さ(振幅)は変わらず、細かさだけが変わります。
FSKでは、振幅(波の高さ)は一定のまま、周波数だけを切り替えて0と1を区別します。
具体的には2つの異なる周波数を用意します。
・ビットが1:高い周波数の波(一定時間に多く振動)
・ビットが0:低い周波数の波(一定時間にゆっくり振動)
・振幅は一定:波の高さは変えず、細かさだけを変える
受信側は「いま届いている波は高い音か低い音か」を判定するだけで0と1を読み取れます。音の高さは多少音量がぶれても聞き分けられるのと同じで、周波数は雑音の影響を受けにくいのが利点です。FSKは周波数で表す方式で、振幅を変えるASKとは別物です。
FSKとASKは「搬送波の何を変えるか」が違います。ASKは振幅(高さ)、FSKは周波数(細かさ)を変えて0と1を表します。
| 項目 | ASK(振幅偏移) | FSK(周波数偏移) |
|---|---|---|
| 変える要素 | 振幅(波の高さ) | 周波数(波の細かさ) |
| 雑音への強さ | 弱い(振幅にノイズが乗る) | ASKより強い |
| 使う帯域 | 狭くて済む | 2つの周波数が要り広め |
| 身近な例 | 赤外線リモコン(OOK) | 昔のモデム・FAX |
FSKがASKより雑音に強いのは、雑音が主に振幅の乱れとして現れるからです。周波数(音の高さ)は振幅が多少ぶれても判定できるため、ASKより誤りが起きにくくなります。
・FSKの長所:雑音に強く、判定が安定
・FSKの短所:2つの周波数を使うため、ASKより広い周波数帯域が必要
・使い分け:簡単で省帯域ならASK、確実さ重視ならFSK
上のツールで全部0・全部1のプリセットを比べると、FSKでは波の細かさだけが切り替わり、高さは一定のままなのが分かります。ASKのツールと見比べると違いがより明確になります。