画面に触れて直接操作できる入力と表示を兼ねた装置
タッチパネルとは、画面に直接指やペンで触れることで操作できる装置です。最大の特徴は、「画面に表示する(出力)」役割と「触れて操作する(入力)」役割を1枚で兼ねている点にあります。
通常のパソコンでは、画面(出力)とマウス・キーボード(入力)が別々の装置です。タッチパネルはこれを1つにまとめたもので、画面に映ったボタンを直接押す感覚で操作できます。スマートフォンやタブレット、駅の券売機、店舗のセルフレジ、ATMなど、身の回りの多くの機器で使われています。
「どこに触れたか」を検知する仕組みには、上の図解のように抵抗膜方式・静電容量方式・赤外線方式などがあります。それぞれ検出のしくみと得意・不得意が異なります。
代表的な3方式は、触れた位置をまったく違う原理で検出します。
・抵抗膜方式:透明な電極の膜が2層重なっており、指やペンで押すと2層が触れて通電し、その位置を検出します。圧力で反応するため、手袋やペンの先でも操作できます。
・静電容量方式:人の指が持つわずかな電気(電荷)を利用します。指が触れると画面表面の静電容量(電気をためる量)が変化し、その変化から位置を割り出します。複数の指による同時操作(マルチタッチ)が得意です。
・赤外線方式:画面の周囲に赤外線(目に見えない光)の格子を張り、指で光が遮られた位置を検出します。画面そのものに触れる必要がなく、大画面に向きます。
| 方式 | 検出の原理 | 得意なこと | 苦手なこと |
|---|---|---|---|
| 抵抗膜 | 2層が触れて通電(圧力) | 手袋・ペンも可・安価 | 多点同時操作 |
| 静電容量 | 指の電荷で容量変化 | マルチタッチ・高感度 | 手袋では反応しにくい |
| 赤外線 | 遮られた光の位置を検出 | 大画面・非接触 | 装置が大きく高価 |
例えるなら、抵抗膜は「2枚の紙を重ねて指で押すと触れ合う」仕組み、静電容量は「セーターを脱ぐときの静電気」のように体の電気を利用する仕組み、赤外線は「光のカーテンを横切ると影ができる」仕組みと考えると分かりやすいです。
どの方式が良いかは、どんな場面で使うかによって変わります。それぞれの長所が活きる用途を見ていきましょう。
・抵抗膜方式:手袋をしたまま使う工場や医療現場、ペンで細かく書き込む古い携帯ゲーム機やカーナビなど。圧力さえあれば何でも反応する点が強みです。
・静電容量方式:指2本で拡大・縮小(ピンチ操作)をするスマートフォン・タブレット。なめらかな反応とマルチタッチが活きます。現在最も普及している方式です。
・赤外線方式:教室や会議室で使う大型の電子黒板・デジタルサイネージ(電子看板)。画面が大きくても対応でき、表面を強化ガラスにできるため丈夫です。
身近な例で言うと、道具を選ぶのと同じです。細かい作業には鉛筆(抵抗膜)、素早い操作には指(静電容量)、黒板のように大きな面には専用の仕組み(赤外線)、というふうに、目的に合った方式が選ばれています。