CPU・メモリ・周辺機能などシステム全体を1つのチップに集積したもの。
SoC(ソック / エスオーシー、System on Chip)とは、CPU・メモリ・周辺機能など、システム全体に必要な部品を1つのチップにまとめて集積したもののことです。「System on Chip」を直訳すると「チップの上のシステム」、つまり1チップでシステム1つ分の働きをするという意味です。
ふつうコンピュータは、CPU・メモリ・通信用のチップなどを基板の上にバラバラに並べ、配線でつないで作ります。SoCはこれらを最初から1枚のチップの中に作り込んでしまいます。LSI(大規模集積回路)の集積技術がさらに進んだことで実現できるようになりました。
身近な例で考えると、キッチン・寝室・浴室がすべて1部屋に収まったワンルームマンションのようなものです。別々の部屋を行き来する代わりに1部屋で生活が完結し、省スペースになります。上の図解で、本来バラバラのチップだったCPU・GPU・メモリ・通信機能が、1つのSoCにまとまっている様子を確認してください。
SoCの中には、コンピュータが動くために必要なさまざまな機能ブロックが詰め込まれています。上の図解の色と対応させながら見てみましょう。代表的な構成要素は次のとおりです。
これらの機能ブロックは、チップ内部の「バス」と呼ばれる通り道で互いに結ばれています。バスとは、データをやり取りするための共通の配線のことです。すべてが1チップ内にあるため、ブロック間の距離がごく短く、データを高速にやり取りできます。
ただし、SoCにどの機能を載せるかは製品の目的によって変わります。AI処理専用の回路や電源管理回路を内蔵するものもあれば、用途を絞ってシンプルに作るものもあります。「システムに必要なものを1チップにまとめる」という考え方そのものがSoCの本質だと押さえておきましょう。
SoCは、小型で省電力なことが特に重要な機器で広く使われています。多数のチップを1つにまとめられるため、装置全体を小さくでき、配線も短くなって電気の無駄も減るからです。
代表的な用途には次のようなものがあります。
・スマートフォン:CPU・GPU・通信・カメラ処理などを1つのSoCに集約。手のひらサイズで電池駆動が可能なのはSoCのおかげ
・組込み機器:テレビ・洗濯機・エアコンなど、製品に組み込まれて特定の制御を行うコンピュータ
・自動車・IoT機器:センサー制御や通信を小さなチップ1枚でこなす
身近な例で考えると、多機能なスイスアーミーナイフのようなものです。ナイフ・ハサミ・栓抜きを別々に持ち歩く代わりに1本にまとめれば、軽くてかさばりません。SoCも、たくさんの機能を1チップにまとめることで、機器の小型化・軽量化・省電力化を実現しています。スマートフォンが年々薄く高性能になっているのは、このSoCの進歩に支えられているのです。
Q1.SoC(System on Chip)の説明として最も適切なものはどれですか。
Q2.SoCの構成要素として一般的でないものはどれですか。
Q3.SoCが特に多く使われる用途として、適切なものはどれですか。