紙の原稿を光で読み取って画像データに変換する装置
スキャナとは、紙の原稿(文字・写真・図など)に光をあてて読み取り、コンピュータで扱える画像データに変換する装置です。紙の上の情報を「写真に撮ってデジタル化する」装置だと考えると分かりやすいでしょう。
基本の仕組みはシンプルです。原稿に光をあて、反射してきた光の強さをセンサが読み取り、明るさを数値(画素)に変換します。白い部分は光をよく反射し、黒い部分はあまり反射しないため、この明暗の違いから画像を再現します。コピー機やプリンタ複合機にも、このスキャナ機能が組み込まれています。
上の図解①のように、光源とセンサを一体にした読み取りヘッドが原稿の上を移動し、1行ずつ順番に読み取っていきます。この読み取りに使うセンサには、図解②のCCDとCISの2種類があります。
どちらも「光を電気信号に変える」イメージセンサですが、光の集め方が異なります。
・CCD(Charge Coupled Device、電荷結合素子):原稿からの光をレンズやミラーで集めてからセンサに届けます。光路を確保するための奥行きが必要なため装置に厚みが出ますが、高画質で、厚みのある原稿(本など)にもピントが合いやすいのが強みです。
・CIS(Contact Image Sensor、密着イメージセンサ):その名の通りセンサを原稿のすぐ下に密着させて読み取ります。レンズが要らないため薄型・軽量・低消費電力にでき、持ち運べるスキャナや複合機に向きます。一方で原稿が浮くとピントが甘くなりやすい性質があります。
| 項目 | CCD | CIS |
|---|---|---|
| 光の集め方 | レンズ・ミラーで集約 | 原稿に密着(レンズ不要) |
| 本体の厚み | 厚い(奥行きが必要) | 薄型・軽量 |
| 画質・被写界深度 | 高画質・厚い原稿に強い | 平らな原稿向き |
| 消費電力 | 大きめ | 小さい |
例えるなら、CCDは「望遠レンズ付きの本格カメラ」で、レンズで光を集めるぶん大きく重いが画質が良い。CISは「対象にぴったり当てて読むハンドスキャナ」で、レンズがないぶん薄くて軽い、というイメージです。
dpi(dots per inch、ディーピーアイ)とは、1インチ(約2.54cm)あたり何個の点(ドット)に分けて読み取るかを表す数値で、スキャナの「解像度」を意味します。数値が大きいほど細かく読み取れ、画像が精細になります。
上の図解のように、1インチを区切るマス目の細かさだと考えると分かりやすいです。
・低dpi(例: 100dpi):マスが大きく粗い。文字が読めれば十分な書類の保存などに向き、データ量は小さい
・高dpi(例: 600dpi 以上):マスが細かく精細。写真や印刷原稿など、細部まで残したいときに向くが、データ量は大きくなる
身近な例で言うと、方眼紙のマス目の細かさに似ています。マスが大きい方眼紙では絵がカクカクしますが、マスが細かい方眼紙ならなめらかな線が描けます。そのぶん使うマスの数は増える(=データ量が増える)ため、用途に合わせて適切なdpiを選びます。