同じデータを2台のディスクに二重化して、1台壊れてもデータを守るRAID方式。安全性が高い分、使える容量は半分です。
RAID 1(ミラーリング)とは、2台のディスクにまったく同じデータを書き込んで二重化する方式です。「ミラー」=鏡という言葉の通り、片方の内容がもう片方に鏡写しのように完全コピーされます。
身近な例で考えると、大事な書類のコピーを取って別の引き出しにしまっておくのと同じです。元の書類を失っても、コピーがあれば内容は守られます。RAID 1 はこれを自動でディスクに行い、片方が壊れてももう片方でそのまま動き続けられるようにします。
上のツールで ▶ ボタンを押すと、データが2台に複製され、1台故障してももう1台で運用が続く様子を順に確認できます。
ミラーリング(mirroring)とは、書き込みのたびに2台へ同時に同じ内容を書き込む仕組みです。RAID 0 のようにデータを分割するのではなく、丸ごと複製する点が決定的に違います。
動作のポイントは次の通りです。
・書き込み:データを2台の両方へ書く(だから書き込み速度は1台と同程度)
・読み出し:どちらのディスクからも読めるため、読み出しは速くなることがある
・故障時:片方が壊れても、生き残った1台にすべての内容があるので止まらない
・復旧:壊れたディスクを交換すれば、生存ディスクからコピーして二重化を回復できる
RAID 1(2台構成)は1台までの故障に耐えられます。両方が同時に壊れない限り、データは守られます。
容量の計算式(2台のうち1台分は複製):
使える容量 = 1台分(2台構成)
例: 1TB × 2台 を実装 → 使えるのは 1TB
容量効率とは、実装したディスク容量のうち実際にデータ保存に使える割合のことです。RAID 1 はデータを丸ごと2つ持つため、効率は常に 50%。2TB 分のディスクを買っても、使えるのは 1TB だけです。
これが RAID 1 最大の弱点です。安全性は高いものの、同じ容量を確保するのに2倍のディスクが必要になり、コストがかさみます。大容量を効率よく守りたい場合は、パリティで冗長化する RAID 5 が選ばれます。
他方式との違いを整理すると次の通りです。
| 項目 | RAID 0 | RAID 1 |
|---|---|---|
| 目的 | 高速化・大容量 | 安全性(冗長化) |
| 容量効率 | 100% | 50% |
| 耐えられる故障 | 0台 | 1台 |
RAID 1 がデータを守れる理由は、まったく同じ内容が2か所に存在するからです。1台が故障したとき、もう1台にはすべてのデータがそのまま残っています。だからシステムを止めずにそのまま動き続けられます。
ここで大切なのは、「バックアップ」との違いです。
・バックアップ:定期的に別の場所へコピーを保存する。壊れた後で取り出すもの
・RAID 1(ミラーリング):書き込みのたびに自動で2台同時に書く。壊れた瞬間から即座に片方で動き続けられる
バックアップは「復元に時間がかかる」という欠点があります。一方 RAID 1 は故障してもサービスを止めずに運用を続けられる(=可用性(かようせい)が高い)のが特長です。可用性とは「必要なときにちゃんと使えること」を指します。
RAID(=複数のディスクを組み合わせてひとつのドライブとして扱う技術)には複数の方式があり、目的によって使い分けます。
| 方式 | しくみ | 容量効率 | 耐障害性 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|---|
| RAID 0 | データを分割して複数台に書く(ストライピング) | 100% | なし(1台でも壊れると全滅) | 速度優先の一時保存 |
| RAID 1 | 2台に同じデータを書く(ミラーリング) | 50% | 1台まで耐えられる | 安全性優先の重要データ |
| RAID 5 | 分割+復元用の情報(パリティ)を各ディスクに分散して書く | 高め(台数-1 / 台数) | 1台まで耐えられる | 容量と安全性のバランス重視 |
RAID 0 は速くて容量も全部使えますが、1台でも壊れると全データが消えてしまいます。RAID 1 は安全性は最高ですが半分の容量しか使えません。RAID 5 はパリティ(=壊れたデータを復元するための計算情報)を各ディスクに分散して保存することで、安全性と容量効率を両立します。用途に応じて選ぶことが重要です。