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RAID 0(ストライピング)

データを複数のディスクに分散して並列に書き込むことで、速度と容量を稼ぐRAID方式。冗長性は持ちません。

INTERACTIVE VISUALIZATION
データブロック
故障
ディスク台数 N
2
実効容量
1TB
耐えられる故障
0 台
シナリオ
ステップ1 / 6
STEP 1/6書き込み前2台のディスクが並んでいます。RAID 0 では、これらをまとめて1つの大きなディスクのように扱います。これから1つのファイルを書き込みます。
Disk 1Disk 2
容量の計算
容量 = N × ディスク容量
= 2 × 500GB = 1TB
解説

📌
RAID 0とは

1つのファイルを2台に分けて同時保存FILEB1Disk1B2Disk2

RAID 0(ストライピング)とは、複数のディスクをまとめて1つの大きなディスクのように扱い、データを分割して各ディスクに分散保存する方式です。RAID(レイド)= Redundant Arrays of Inexpensive Disks の略で、複数の安価なディスクを束ねて使う技術の総称です。

身近な例で考えると、引っ越しの荷物を2人で同時に運ぶ状況に似ています。1人で全部運ぶより、半分ずつ2人で同時に運んだほうが早く終わります。RAID 0 はまさにこれをディスクで行い、書き込み・読み出しの両方を高速化します。

上のツールで ボタンを押すと、1つのファイルがブロックに分割され、各ディスクへ並列に書き込まれていく様子と、1台故障したときに何が起きるかを順に確認できます。

📐
ストライピングの仕組み

ストライピング(striping)とは、データを「ストライプ」と呼ばれる細長い帯状のブロックに分け、それらを順番に別々のディスクへ振り分ける配置方法です。1本のデータを縞模様(ストライプ)のように複数ディスクへまたがせるイメージから名付けられています。

書き込みの流れは次の通りです。
分割:1つのファイルを N 個のブロックに切り分ける
分散配置:ブロックを Disk1, Disk2 … と順に割り当てる
並列書き込み:全ディスクが同時に自分の担当ブロックを書く

ディスク N 台が同時に動くため、理論上の速度は単独の約 N 倍になります。さらに、各ディスクの容量がそのまま合算されるので、合計容量も大きくできます。

容量の計算式(N 台すべてをデータに使える):

容量 = N × ディスク容量
例: 500GB × 4台 = 2000GB(2TB)

⚠️
冗長性なしのリスク

1台壊れるとファイル全体が読めないDisk1 故障B2Disk2(無事)B1 が欠け復元不能

冗長性(じょうちょうせい)とは、同じ情報の予備を持っておくことです。RAID 0 はこの予備を一切持ちません。各ディスクには異なるブロックしか入っておらず、どれか1台が壊れると、その中のブロックが永久に失われます。

さらに深刻なのは、ファイルが全ディスクにまたがって分散しているため、1台でも欠けるとファイル全体が成立しなくなる点です。2台構成なら、片方が壊れれば残りの片方も役に立たなくなり、結果として全データが使えなくなります。

身近な例で言うと、1冊の本を半分に破いて2人で分担保管するようなものです。片方を失えば、もう片方だけでは本として読めません。

このため RAID 0 は、速度や容量を最優先し、消えても困らない一時データに使われます。大切なデータには、複製を持つ RAID 1 やパリティで守る RAID 5 を使います。

📊
RAID 1・RAID 5 との違い

RAID 0 / 1 / 5 の考え方の違いRAID 0B1B2速度◎ 容量◎冗長性✕RAID 1B1B1冗長性◎容量✕(半分に)RAID 5B1B2P速度◎ 冗長性◎必要台数3台〜

RAID にはいくつかの「方式」があり、速度・容量・安全性のバランスが異なります。RAID 0 以外によく登場するのがRAID 1RAID 5です。
RAID 1(ミラーリング)=「鏡(ミラー)のように同じデータを2台に複製する」方式。1台壊れてもコピーがあるので安全。ただし、2台使って実際に使える容量は1台分だけになる
RAID 5(パリティ分散)=「パリティ(データの誤りを検出・修復するための計算データ)」を各ディスクに分散して持つ方式。3台以上が必要だが、1台壊れても残りのデータとパリティで元のデータを復元できる

なぜ方式が複数あるのか。速度・容量・安全性はトレードオフ(=1つを上げると別のものが犠牲になること)の関係にあるからです。
RAID 0:速度と容量を最大化するが、1台の故障でデータ全滅
RAID 1:安全性を最大化するが、容量は半分になる
RAID 5:速度・容量・安全性をバランスよく確保するが、3台以上必要

身近な例えでは、RAID 0 は「一人で全部荷物を運んで最速」、RAID 1 は「全員が同じ荷物を持ち合って1人倒れても平気」、RAID 5 は「役割分担して速くしながら1人の分は計算で補える仕組みを持つ」チームのようなものです。何を重視するかで選ぶ方式が変わります。

💡
RAID 0 はどんなときに使うのか

消えてもよい・速度が必要な用途に向く向く用途動画編集の一時ファイルキャッシュ・テンポラリ領域高速が最優先の処理向かない用途重要データの長期保存バックアップ業務データベース

「冗長性がないなら使わなければいいのでは?」と思うかもしれませんが、RAID 0 が選ばれる明確な理由があります。それは「とにかく速くしたい・容量を無駄なく使いたい」という場面です。

たとえば次のような用途では RAID 0 が合理的です。
動画編集の一時ファイル:作業中だけ使う巨大な中間ファイルは、完成したら不要。消えても元の素材があれば再作成できる
キャッシュ・テンポラリ領域:コンピュータが一時的に使う作業領域(=キャッシュ)は、再起動すれば再生成できる
高速処理が必要なシミュレーション:科学計算など、速度が命で結果さえ別に保存できる場合

一方で、重要なデータ・消えたら困るファイルには絶対に RAID 0 を使いません。大切なデータには RAID 1 か RAID 5(またはその組み合わせ)を使い、RAID 0 は「速さのための道具」として、失っても問題ない用途に限定します。「何を守りたいか」を考えて RAID の方式を選ぶのが原則です。

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