キーを押して文字や命令を入力する代表的な入力装置
キーボードとは、ずらりと並んだキー(ボタン)を押すことで、文字や数字、命令をコンピュータに入力する装置です。マウスと並んで最も基本的な入力装置(=人間の操作をコンピュータに伝える機器)の代表です。
仕組みはシンプルで、キーを押すとそのキーに対応した信号(どのキーが押されたかを表す番号)がコンピュータに送られ、それが文字コード(=文字に割り当てられた数値)に変換されて画面に表示されます。ピアノの鍵盤を思い浮かべると分かりやすく、押した鍵によって違う音(=違う信号)が鳴る、というイメージです。
ひとくちにキーボードと言っても、キーを押したことをどう検知するか(方式)と、キーの並び方(配列)に種類があります。上の図解の①で方式を、②で配列の違いを整理しています。
キーが押されたことを検知する方式には、大きく分けて次の3つがあります。
・メンブレン方式:キーの下にゴムのドームと、薄い接点シートが3層重なっています。押すと上下のシートが触れて通電し、入力を検知します。構造が単純で安価・静か。一般的な家庭用キーボードの多くがこれです。
・メカニカル方式:キーごとにバネと金属接点の独立したスイッチが入っています。「カチッ」という打鍵感があり耐久性が高い反面、価格は高めです。
・静電容量無接点方式:接点が物理的に触れ合わず、静電容量(電気をためる量)の変化でキー押下を検知します。接点が摩耗しないため非常に高い耐久性を持ちます。
| 方式 | 検知の仕組み | 特徴 |
|---|---|---|
| メンブレン | ゴムドーム+接点シートの接触 | 安価・静か・大量生産向き |
| メカニカル | キーごとの独立スイッチ(バネ+金属接点) | 打鍵感が良い・高耐久・高価 |
| 静電容量無接点 | 静電容量の変化(非接触) | 摩耗しにくく非常に高耐久 |
例えるなら、メンブレンは「下敷きを2枚重ねて押すと触れ合う」ような単純な仕組み、メカニカルは「カチカチ鳴るボールペンのノック」のように1つ1つが独立した機構、静電容量は「手をかざすと反応する自動ドアのセンサ」のように触れずに変化を捉えるイメージです。
配列とは、キーの並び方や記号の割り当て方の決まりのことです。日本でよく使われるのがJIS配列(日本工業規格に基づく配列)、英語圏で標準的なのがUS配列(英語配列)です。
主な違いは次の通りです。
・かな表記:JISはキーに「あ・い・う」などのかなが印字され、US配列にはありません
・キーの数:JISは「変換・無変換」などの日本語入力用キーがある分だけ多く(約109個)、US配列は少なめ(約104個)
・Enterキーの形:JISは縦長の逆L字、US配列は横長の一段
・記号の位置:例えば@(アットマーク)はJISでは「2」の右下あたり、US配列ではShift+2に割り当てられています
身近な例で言うと、同じ車でも国によってウインカーやワイパーのレバーの位置が違うのと似ています。やりたいこと(運転=文字入力)は同じでも、操作するスイッチの場所が違うため、配列を切り替えると最初は記号がずれて戸惑うことがあります。プログラミングなどで記号を多用する人が、あえてUS配列を選ぶこともあります。