FE EXAM

GPU(多数の小コアで並列計算)

多数の小さなコアで大量の並列計算を行う画像・AI向けプロセッサ

DIAGRAM
CPU(少数の高性能コア)GPU(多数の小コア)
CPU少数の高性能コアコア1複雑な処理が得意コア2複雑な処理が得意コア3複雑な処理が得意コア4複雑な処理が得意順番に処理する複雑な作業向きGPU多数の小さなコア同じ計算を一斉に大量処理向きCPU = 少数精鋭の万能型 / GPU = 大量の単純計算を一気に画像処理・ディープラーニングなど「同じ計算を膨大なデータに繰り返す」処理は GPU が圧倒的に速い
解説

📌
GPUとは

GPU

GPU(Graphics Processing Unit=画像処理装置)とは、小さなコアを数百〜数千個も並べて、大量の計算を一斉に行うプロセッサのことです。もともとは画面に絵を描く(グラフィックス)ための専用装置でした。

身近な例で考えると、大人数のアルバイト集団のイメージです。1人ひとりは単純な作業しかできませんが、何千人もいるので「同じ作業を大量にこなす」のは抜群に速い。たとえば「1万枚のはがきに同じスタンプを押す」なら、1人の達人より大勢のバイトの方が圧倒的に早く終わります。

上の図解の右側がGPUです。小さなコアがびっしり並んでいるのが特徴で、これが「同じ計算を一気に大量処理する」力の源です。

📌
CPUとの違い

CPU少数の大コアGPU多数の小コア

CPUとGPUは「コアを持つプロセッサ」という点では同じですが、設計思想が正反対です。CPUは少数の賢いコア、GPUは多数の単純なコアという違いを押さえましょう。

項目CPUGPU
コアの数少ない(数個〜数十個)非常に多い(数百〜数千個)
コア1個の性能高い(複雑な処理が得意)低い(単純な計算向き)
得意な処理順番に行う複雑な処理同じ計算の大量並列処理
用途OS・アプリ全般の制御画像処理・AI・科学計算

たとえると、CPUは数人のベテラン職人(難しい仕事を順番に丁寧にこなす)、GPUは大量のアルバイト(単純作業を一斉に片付ける)です。どちらが優れているという話ではなく、仕事の種類によって使い分けるのがポイントです。実際のパソコンはCPUとGPUの両方を載せ、適材適所で役割分担しています。

📌
用途(画像処理・AI等)

画像処理ディープラーニング科学計算

GPUは「同じ計算を膨大な数だけ繰り返す」処理で本領を発揮します。代表的な用途は次の通りです。


画像・映像処理:画面は無数の点(ピクセル)の集まりで、各点の色を同時に計算するのにGPUが最適。3Dゲームや動画編集で活躍します
ディープラーニング(AI):AIの学習は大量の「行列の掛け算」の繰り返し。これは同じ計算の大量並列なので、GPUが圧倒的に速い
科学計算・シミュレーション:天気予報や流体シミュレーションなど、大量のデータを並列計算する用途

近年は特にAIブームでGPUの重要性が急上昇しました。本来は画像用だったGPUを画像以外の汎用計算に使うことをGPGPU(General-Purpose computing on GPU)と呼びます。まとめると、GPUは並列計算が得意で、画像処理やAIで使われるのが特徴です。

📌
なぜGPUは並列処理が得意なのか

CPUの処理順12341つずつ順番に処理GPUの処理順12345678全部いっせいに処理なぜ速いかコアが増えれば増えるほど「同時にこなせる量」が増える

GPUが並列処理に強い理由は、コアの数の多さにあります。CPUは仕事を1つずつ順番に処理しますが、GPUは大量のコアが同時に動いてそれぞれ別の仕事をこなします。コアの数だけ「同時に処理できる量」が増えるので、同じ計算を何万回も繰り返すような場面でとても速いのです。

ただし、GPUのコアは1つひとつの性能は低めです。難しい判断が必要な複雑な処理は苦手で、CPUが担当します。GPUが速いのは「単純な計算を大量に繰り返す」場面に限られます。

身近な例で考えると、100枚の絵に同じスタンプを押す作業を想像してください。器用な職人(CPU)が1枚ずつ丁寧に押すより、100人の人手(GPUのコア)が1枚ずつ同時に押す方がはるかに早く終わります。これが並列処理の力です。

📌
CPUとGPUはどう使い分けるか

CPU が担当複雑な判断・分岐OSやアプリの制御GPU が担当単純計算の大量処理画像・AI・シミュレーション+

実際のパソコンやサーバはCPUとGPUを両方搭載し、役割分担して動いています。CPUはOSやアプリ全体の司令塔として複雑な判断を担い、GPUは「大量の同じ計算」が発生したときにCPUから指示を受けて処理します。

なぜ役割分担するのかというと、どちらか一方では不十分だからです。CPUだけでは画像の全ピクセルを1つずつ計算するのに時間がかかりすぎます。GPUだけではOSの起動や複雑な判断ができません。それぞれの強みを活かして協力することで、高速かつ複雑な処理を実現しています。

以下に代表的な使い分けをまとめます。

場面主に担当するもの
Webブラウザでページを開くCPU(複雑な処理)
3Dゲームの画面を描くGPU(大量のピクセル計算)
AIで画像を認識するGPU(大量の行列計算)
ファイルのコピー・移動CPU(命令の制御)
動画のエンコード(圧縮)GPU(大量の映像データ変換)

関連コンテンツ