FE EXAM

DRAM(安価で大容量だが低速)

コンデンサで構成される安価で大容量だが低速な揮発性メモリ

DIAGRAM
電荷
電荷が抜ける
リフレッシュ

① コンデンサ + トランジスタで 1 ビットを保持(DRAM セル)

DRAM セル(1 ビット分)Trトランジスタ選択コンデンサ電荷あり = 1トランジスタ1個+コンデンサ1個=とても単純構造が単純なので安く大量に作れるコンデンサ=電気をためる小さなバケツ。電荷がたまっていれば 1、空なら 0 を表します。

② 電荷が抜けるのでリフレッシュ(定期的な書き直し)が必要

満タン = 1書き込み直後時間経過抜けてきた電荷が漏れる放置すると空 = 0?データが消えるリフレッシュ(定期的な書き直し)電荷が抜けきる前に、内容を読み出して同じ値を書き戻し、バケツを満タンに戻す。数ミリ秒ごとに自動でくり返される。このリフレッシュ処理がある分、DRAM は SRAM より低速になります。
解説

📌
DRAMとは

D = Dynamic(動的)= 書き直しが要るDRAM安価・大容量・低速用途:主記憶(メインメモリ)

DRAM(ディーラム、Dynamic RAM = 動的RAM)とは、コンデンサに電荷をためて 1 ビットを記憶する、安価で大容量だが低速な揮発性メモリのことです。私たちが「メモリ 16GB」などと呼ぶパソコンの主記憶は、ほとんどがこの DRAM です。

「Dynamic(動的)」という名前は、放っておくと記憶が消えるため、定期的に書き直し続けないといけないことを表します。電源がある限り何もせず保持できる SRAM(Static)とは対照的です。

SRAM との関係をまとめると、次のようになります。
SRAM:高速・高価・低容量 → キャッシュ向き
DRAM:低速・安価・大容量 → 主記憶向き
「たくさん安く積みたい」という主記憶の要求に DRAM がぴったり合っているのです。

📌
コンデンサの仕組み

電荷あり = 1 / 電荷なし = 010

コンデンサとは、電気(電荷)を一時的にためておける小さな部品のことです。DRAM の 1 セルは、このコンデンサ 1 個と、出入り口を開け閉めするトランジスタ(=電気のスイッチ)1 個だけというとても単純な構造でできています。

記憶の表し方はシンプルです。
コンデンサに電荷がたまっている → 1
コンデンサが空っぽ → 0
書き込むときはトランジスタを開けて電荷を入れ(または抜き)、読み出すときも同じくトランジスタを開けて電荷の有無を調べます。

身近な例で考えると、小さなバケツに水(電荷)を入れて満タンか空かで合図するイメージです。1 ビットに必要な部品が少ないため、DRAM は同じ面積にぎっしりセルを詰め込めます。これが安価で大容量になる理由です。

📌
リフレッシュが必要な理由

抜ける前に読んで書き戻す満タン漏れ中書き戻し

リフレッシュとは、DRAM の内容を定期的に読み出して同じ値を書き戻し、抜けかけた電荷を補充する処理のことです。なぜ必要かというと、コンデンサにためた電荷は、何もしなくても少しずつ自然に漏れて(放電して)しまうからです。

身近な例で考えると、底に小さな穴の空いたバケツのようなものです。放っておけば水(電荷)はやがて全部抜けてしまうので、空になる前に水を足し続けなければ「満タン=1」を保てません。この「水を足す」作業がリフレッシュです。

リフレッシュには次のような特徴があります。
自動で行われる:メモリコントローラが数ミリ秒ごとに全セルを書き直す
低速の原因になる:書き直し中はそのメモリを使えず、待ち時間が生じる
SRAM には不要:フリップフロップが値を自己保持するため
このリフレッシュという手間がある分だけ、DRAM は SRAM より遅くなるのです。

📌
DRAMとSRAMの違い

1ビットを保持する構造の違いDRAM セルTr×1 + C×1SRAM セルFFTr×4〜6個部品が少ない → 安い・大容量  部品が多い → 高い・小容量

DRAM と SRAM(スタティック RAM)は、どちらも電源を入れている間しかデータを保持できない揮発性メモリ(=電源を切るとデータが消えるメモリ)です。ただし、1ビットを保持する部品の構造がまったく異なり、それが速さ・価格・容量のすべての違いにつながっています。

DRAMSRAM
記憶素子コンデンサ(電荷)フリップフロップ(論理回路)
1ビットの部品数トランジスタ×1 + コンデンサ×1トランジスタ×4〜6
速度低速(リフレッシュが必要)高速(リフレッシュ不要)
コスト安い高い
容量大容量にしやすい小容量になりやすい
主な用途主記憶(メインメモリ)キャッシュメモリ

なぜ DRAM の方が安くて大容量にできるのか、仕組みで考えると明快です。DRAM は「コンデンサ+トランジスタ」の最小2部品で1ビットを作ります。一方 SRAM は「フリップフロップ(=電気のスイッチを組み合わせた自己保持回路)」が必要で、トランジスタが4〜6個かかります。部品が少ない分、同じ面積にたくさんのセルを詰め込めるため、大容量・低コストが実現できるのです。

📌
揮発性とは何か — 電源を切るとデータが消えるワケ

電源あり = データ保持 / 電源なし = データ消滅電源 ON電荷が保たれる電源 OFF電荷が逃げるリフレッシュの電力供給が止まると電荷を保てない

揮発性(きはつせい)とは、電源を切るとデータが消えてしまう性質のことです。DRAM も SRAM も揮発性メモリです。なぜ電源を切るとデータが消えるのか、DRAM の仕組みから考えてみましょう。

DRAM がデータを保持し続けるには、2つの電力が常に必要です。
コンデンサの電荷を補充するリフレッシュ処理:電力がないとリフレッシュが止まり、電荷が自然に漏れてデータが消える
回路を動かす電源:回路に電力が来なければ読み書き自体ができない
つまり、電源を切ると「リフレッシュが止まる」→「電荷が漏れる」→「データが消える」という流れです。

これを「揮発」という漢字で表現しているのは、液体が蒸発するように自然と失われるイメージからきています。反対に、不揮発性(ふきはつせい)とは電源がなくてもデータを保持できる性質で、フラッシュメモリや ROM がその例です。SSD や USB メモリの中身は不揮発性のフラッシュメモリなので、パソコンの電源を切っても保存したファイルが消えないのです。

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