読み書きの指示や割込みなどの制御信号を伝えるバス
制御バス(control bus)とは、CPU(中央処理装置)が各装置に「どう動いてほしいか」という指示(制御信号)を伝えるための伝送路のことです。データの中身そのものは運びません。「読み出せ」「書き込め」といった操作の合図を送るのが役目です。
身近な例で言うと、料理を運ぶときの「注文票」に似ています。アドレスバスが「何番テーブルへ」という宛先、データバスが「料理そのもの」だとすると、制御バスは「今すぐ持っていけ」「下げてこい」という店長からの指示にあたります。料理(データ)も宛先(番地)も、この指示がなければ動き出しません。
上の図解では、CPUから各装置へ「Read(読み出せ)」「Write(書き込め)」などの制御信号がオレンジの矢印で伸びています。装置側から戻る割込み信号(赤の点線)もあり、信号によって向きが異なるのが特徴です。
制御バスが運ぶ信号には、代表的なものとして次のような種類があります。
・Read(リード)信号:「メモリやI/Oからデータを読み出せ」という指示
・Write(ライト)信号:「メモリやI/Oにデータを書き込め」という指示
・割込み(インタラプト)信号:装置側からCPUへ「処理を中断して対応してほしい」と伝える合図
・クロック信号:全体の動作の「拍子(タイミング)」を合わせる信号
| 信号 | 意味 | 主な向き |
|---|---|---|
| Read | 読み出しを指示 | CPU → 装置 |
| Write | 書き込みを指示 | CPU → 装置 |
| Interrupt | 割込み(対応を要求) | 装置 → CPU |
| Clock | 動作の拍子をそろえる | 全体へ配る |
注目したいのは割込み信号です。これだけは装置側からCPUへ向かいます。たとえばキーボードのキーが押されたとき、I/O装置が「入力が来たので対応して」とCPUに知らせる──このように、制御バスは一方向だけでなく、信号の種類ごとに向きが決まっているのが特徴です。
バスは運ぶ内容によって役割が分かれています。制御バスの位置づけをほかの2本と比べて整理しましょう。
・データバス:データの中身そのものを運ぶ。読み書き両方向(双方向)
・アドレスバス:アクセスする番地(住所)を伝える。CPUからメモリへの一方通行(単方向)
・制御バス:「どう扱うか」の指示を伝える。信号ごとに向きが決まる
配送便にたとえるなら、アドレスバス=宛先(住所)、データバス=荷物の中身、制御バス=配達員への指示書です。荷物(データ)だけがあっても、宛先(アドレス)と「届けろ/受け取れ」という指示(制御)がそろわなければ、正しいやり取りは成立しません。
最大の違いは「制御バスはデータを運ばない」という点です。データバスとアドレスバスが「何を・どこへ」を担当するのに対し、制御バスは「いつ・どのように」を担当する、と覚えると区別がつきやすくなります。