FE EXAM

3Dプリンタ(積層造形)

材料を層状に積み重ねて立体物を造形する装置

FIGURE
FDM
SLA
SLS
主要な3方式の比較(いずれも下から1層ずつ積み上げる)FDM熱で溶かした樹脂を積層樹脂の糸加熱ノズル溶かした樹脂を線状に重ねるSLA光で固める液体樹脂光(UV)液体樹脂光が当たった部分だけ硬化SLS粉末をレーザで焼き固めるレーザ粉末粉を溶かして接合(焼結)

3方式とも「材料を1層ずつ下から積み上げて立体を作る」点は共通です。違いは材料(樹脂の糸/液体樹脂/粉末)と、固める方法(熱/光/レーザ)にあります。

解説

📌
3Dプリンタとは

薄い層を下から積み重ねて立体にする3Dデータ層に分割立体物が完成

3Dプリンタとは、材料を薄い層にして下から1枚ずつ積み重ね、立体物を作り出す装置です。この「層を積む」作り方を 積層造形(アディティブ・マニュファクチャリング)と呼びます。

ふつうの工作は、木や金属の塊を「削って」形を出します(=引き算の加工)。これに対し3Dプリンタは、何もないところに材料を「足して」形を作ります(=足し算の加工)。だから複雑な形や中空の形も作りやすいのが特長です。

身近な例えで言うと、ホットケーキを何枚も重ねてタワーを作るイメージです。まずパソコンで作った立体データを薄い層(スライス)に切り分け、その断面どおりに材料を1層ずつ積んでいきます。上の図解では、層を積む点が共通な3つの方式を並べて比較しています。

📐
主要方式の違い

3Dプリンタには複数の方式があり、代表的なものが次の3つです。「どんな材料を、どうやって固めるか」が違いの軸になります。

FDM(熱溶解積層)
樹脂の糸を熱で溶かしてノズルから押し出し、線を引くように1層ずつ積みます。最も普及しており、家庭用の安価な機種に多い方式です。
SLA(光造形)
液体の樹脂に光(紫外線)を当てて固める方式です。光が当たった部分だけ硬化します。表面がなめらかで細かい造形が得意です。
SLS(粉末焼結)
粉末の材料にレーザを当てて溶かし接合(焼結)する方式です。周りの粉が支えになるので、複雑な形や金属部品も作れます。

整理すると、固める方法の違いはこうなります。
FDMで溶かして固める(材料=樹脂の糸)
SLAで硬化させる(材料=液体樹脂)
SLSレーザで焼き固める(材料=粉末)

⚖️
用途(試作・医療等)

3Dプリンタは「データから直接モノを作れる」ため、さまざまな現場で使われています。

分野使われ方
製品の試作量産前の試作品を素早く作って形や使い勝手を確認
医療患者ごとの歯型・義歯・人工骨、手術練習用の臓器模型
製造業少量の部品や治具(作業を助ける道具)をその場で製造
建築・教育建物の模型、学習用の立体教材
個人・趣味フィギュアや小物、壊れた部品の自作

とくに役立つのが試作(プロトタイピング)です。従来は金型を作るのに時間とお金がかかりましたが、3Dプリンタならデータを直してすぐ作り直せるため、開発のスピードが大きく上がります。

医療分野でも注目されています。一人ひとり形が違う歯や骨に合わせて、その人専用の部品を作れるからです。身近な例えで言うと、3Dプリンタは「立体版の印刷機」のような存在で、紙にインクで文字を刷るように、空間に材料で立体を刷るイメージで考えると分かりやすいでしょう。

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