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ワーム(単独で自己増殖する不正プログラム)

単独で自己増殖しネットワーク経由で感染を広げる不正プログラム。

DIAGRAM
正常な端末
感染端末(ワーム)
ワームは自分でネットワークを伝って次々と端末へ広がるWORM感染源WORM感染WORM感染PC次の標的PC次の標的① 1台が感染② 脆弱性を突いて自分のコピーを送り込み、感染端末を増やす(利用者の操作は不要)
解説

📌
ワームとは

宿主が要らず単独で動ける独立プログラムWORM1つの完結したソフト

ワームとは、宿主となる他のプログラムを必要とせず、単独で自己増殖しながらネットワークを通じて感染を広げる不正プログラムのことです。英語で「虫(worm)」を意味します。

ウイルスが他のファイルに寄生しないと動けないのに対し、ワームはそれ自体が独立した1つのプログラムとして存在します。寄生先がなくても自分だけで活動でき、しかも利用者がファイルを開かなくても勝手に増えていくのが大きな特徴です。

身近な例で考えると、放っておくと部屋中に這い回る「ミミズ(虫)」のようなものです。誰かに運んでもらわなくても自分で動いて広い範囲に散らばっていく──このイメージがワームの自律的な拡散に重なります。上の図解のように、1台の感染端末から自分でネットワークをたどって次々と感染を広げます。

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自律拡散の仕組み

感染端末PC1PC2PC31台 → 多数へ自分でコピーを送る

ワームが自律的に広がる仕組みは、おおむね次のとおりです。
探索:ネットワーク上の他の端末やサーバを自分で探し出す
侵入:OSやソフトの脆弱性(=攻撃に使える弱点)を突いて入り込む
複製:侵入先に自分のコピーを送り込み、その端末を新たな感染源にする

この一連の動作を利用者の操作なしに自動で繰り返すため、感染は爆発的に拡大します。1台が2台、2台が4台…とねずみ算式に増えるので、放置すると短時間で組織全体に広がってしまいます。

大量に自己増殖した結果、ネットワークやサーバの負荷が急増し、通信が遅延したりシステムが停止したりする被害も発生します。これはワーム特有の被害です。

📌
ウイルスとの違い

ウイルス宿主に寄生ワーム単独宿主なしで動く

ワームとコンピュータウイルスは「不正プログラム」という点では同じですが、感染の仕方が次のように異なります。

観点ワームコンピュータウイルス
宿主の要・不要不要(単独で存在)必要(他ファイルに寄生)
増殖の引き金自分で自動的に増える宿主が実行されると増える
主な感染経路ネットワーク経由で自律拡散感染ファイルの受け渡し

最大の違いは「宿主が要るかどうか」「利用者の操作が要るかどうか」です。ウイルスは寄生先のファイルを誰かが開かないと動けませんが、ワームは宿主に頼らず、人の操作なしで自分から次の端末へ感染を広げます。この自律性の高さがワームの怖さです。

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なぜワームはウイルスより速く広まるのか

ウイルスの感染ルートファイル人が開く次の感染ワームの感染ルート感染端末自動探索自動感染人の操作がないぶん、圧倒的に速い

ウイルスとワームはどちらも感染を広げますが、スピードが桁違いに違います。その理由は「人の操作が要るかどうか」にあります。

ウイルスが広がるには「誰かが感染ファイルを開く→別のファイルへ複製→また誰かが開く」という人間の操作を何度も挟む必要があります。人が動かなければ止まります。

一方ワームは、自分でネットワーク上の端末を探し、脆弱性(=OSやソフトの欠陥)を突いて侵入し、自分のコピーを送り込むという作業を全自動で繰り返します。人が何もしなくても、1秒間に何十もの端末へ感染を試みることができます。1台→2台→4台→8台とねずみ算式に増えるため、短時間で組織のネットワーク全体に広がります。

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ワームが引き起こすネットワーク被害

ワームの複製通信が通常通信を圧迫通常の通信通常ワームの複製・拡散通信通常感染後帯域(通信の通り道)の大半がワームに占拠される

ワームによる被害は「感染拡大」だけではありません。大量の自己複製通信がネットワークを占拠し、普通の通信ができなくなるという被害も深刻です。

なぜネットワーク障害が起きるのか──ネットワークには「1秒間に運べるデータ量の上限(帯域)」があります。感染した端末が次々とコピーを送り出すため、この帯域がワームの通信で埋まり、本来の業務通信(メール・Webなど)が通れなくなります。会社の廊下をダンボール箱を持った人が大勢行き来して、普通に歩けなくなるイメージです。

ワームへの対策として重要なのは、脆弱性をふさぐためにOSやソフトを常に更新することと、ファイアウォール(=外部からの不正な通信をブロックする仕組み)を使うことです。ウイルスと違い「利用者が開かなくても感染する」ワームは、入り口となる脆弱性をなくすことが最大の防御になります。

練習問題

🎯
基本情報技術者 練習問題

Q1.ワームの特徴として最も適切なものはどれか。
A.宿主となるプログラムを必要とせず、単独で自己増殖しネットワーク経由で広がる
B.他のファイルに寄生し、宿主が実行されて初めて活動する
C.正規ソフトに偽装して利用者にインストールさせる
D.データを暗号化して身代金を要求する
Q2.ワームがコンピュータウイルスと最も異なる点はどれか。
A.利用者がファイルを開かなくても自分でネットワークを伝って増殖できる点
B.不正な動作を一切行わない点
C.実行ファイルとして存在しない点
D.感染してもネットワークには一切影響しない点
Q3.ワームの感染拡大による典型的な被害はどれか。
A.大量の自己増殖でネットワークやサーバの負荷が急増し、通信が遅延・停止する
B.画面の解像度が自動的に上がる
C.ハードディスクの容量が物理的に増える
D.CPUの動作周波数が永久に上がる

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