FE EXAM

分配法則・結合法則(論理式の書き換えルール)

数の世界の「分配の法則 a(b+c) = ab+ac」と同じパターンが、論理演算の世界でも成り立ちます。論理式を整理・簡略化するときの基本ルールを式と図でまとめます。

REFERENCE
AND
OR
論理演算の重要ルール(左右の式が常に等しい)分配法則 ①: AND は OR に対して分配できるA · (B + C)(A AND (B OR C))=(A · B) + (A · C)(AとBのAND) OR (AとCのAND)分配法則 ②: OR は AND に対しても分配できる(論理代数特有)A + (B · C)(A OR (B AND C))=(A + B) · (A + C)(AまたはB) AND (AまたはC)結合法則: 同じ演算が続くときは、どこから計算しても結果は同じ(A · B) · C = A · (B · C)ANDの順序入れ替え自由and(A + B) + C = A + (B + C)ORの順序入れ替え自由記法のメモ· (中点) = AND(論理積)    + (プラス) = OR(論理和)    ¬ または X̄ = NOT(否定)記号は数学の積/和と似ているが、+ は「いずれか」、· は「両方」の意味。1+1 は 2 ではなく 1(=真)になる点に注意。
解説

📌
分配法則・結合法則とは

普通の算数の「分配の法則」と似ている2 × (3 + 4) = (2 × 3) + (2 × 4) = 14↓ 同じパターンが論理にもA · (B + C) = (A · B) + (A · C)

分配法則・結合法則とは、論理式(AND/OR/NOTで作られた式)を意味を変えずに書き換えるためのルールのことです。普通の算数で 2(3+4) = 6+8 と展開できるのと同じ感覚で、論理式も並べ替えたり展開したりできます。

論理式を書き換えるルールはほかにもいろいろありますが、「分配」と「結合」は最も基本的で、論理式の整理に頻繁に使います
分配法則: A · (B + C) = (A · B) + (A · C)
結合法則: (A · B) · C = A · (B · C)

上の図解で、左辺と右辺がイコールで結ばれている式を眺めてください。「形は変わっているけれど、入力AとBとCのどんな組み合わせでも結果は同じ」──というのが「等しい」の意味です。

📌
代数演算との対応

ルール数の世界(算数)論理の世界
結合(同じ演算)(2+3)+4 = 2+(3+4)(A·B)·C = A·(B·C)
交換(順序入れ替え)2+3 = 3+2A·B = B·A
分配 ①(積を和へ)2(3+4) = 2·3 + 2·4A·(B+C) = A·B + A·C
分配 ②(和を積へ)2 + 3·4 ≠ (2+3)(2+4)A + B·C = (A+B)(A+C)

面白いポイント: 数の世界では 2 + 3×4 = 14 ですが、(2+3)(2+4) = 30 なので違う値になります。一方、論理の世界では A + B·C = (A+B)(A+C) が成り立ち、これは論理代数(ブール代数)特有の性質です。

なぜ成り立つのかは、両辺を真理値表で確かめると一目瞭然です。A, B, C の8通り(2^3)すべての組み合わせで、左辺と右辺の結果が同じになります。「迷ったら真理値表で検算」が確実な確かめ方です。

身近な例で考えると、「コーヒーまたは(紅茶 かつ ケーキ)」という条件を考えると分かりやすいです。これを言い換えると「(コーヒー または 紅茶)かつ(コーヒー または ケーキ)」──コーヒーがある人はどちらの言い方でもOK、コーヒーがない人は紅茶もケーキも揃っている必要がある、と同じ条件を表します。

📌
論理式の変形での活用

論理式の簡略化の例元の式A·B + A·C↓ 分配を逆向きにかけて A をくくり出す簡略化後A · (B + C)※ 同じ意味だが、論理ゲートが1個減ってシンプルに

分配法則と結合法則の最大の使いどころは、論理式を簡略化することです。回路設計では、式を短くすればその分だけ論理ゲート(電子部品)を節約できます。

典型的な使い方:
「展開する」: A·(B+C) → A·B + A·C(ばらして真理値表に持ち込む)
「くくり出す」: A·B + A·C → A·(B+C)(共通項をまとめる)
「順序を入れ替える」: 結合法則を使って計算しやすい形に整える

「論理式と等価なもの(同じ意味の式)」を見つけるときは、与えられた式を分配法則・結合法則・ド・モルガンの法則のいずれかで変形して、同じ形になるものを探すのが基本的な進め方です。

覚えるコツ: 分配法則は2方向に使える(展開と、くくり出し)と意識しておくと、目的に応じてどちらの方向で使うかを判断できるようになります。最終的にはカルノー図などのツールと組み合わせて、機械的に最小の式を見つけられるようになります。

関連コンテンツ

分配法則・結合法則 | Vizigo